今やハイブリッド車が主流になり、純ガソリン車は今後カタログ落ちになっていくのは時代の流れです。昭和のおじさんにとっては嘆かわしいことかもしれません。しかし、ハイブリッド車＝燃費がいいだけではありません。いまや純ガソリン車を上回る快速ハイブリッド車もあるのです。今回は、おじさんにお薦めの快速ハイブリッド車を紹介します。
文：ベストカーWeb編集部／写真：ベストカーWeb編集部
シビックタイプRよりいい？ しっとりとした大人の快速ハイブリッド！
2022年6月にデビューしたシビックe:HEVは、新開発の2L直噴エンジンと進化したハイブリッドユニットを組み合わせたスポーツe:HEVを搭載しています。シビックのデザインやパッケージはそのままに、スポーツe:HEVならではの爽快な走りと環境性能の両立を実現しています。
新開発の2L直噴エンジンは熱効率に優れたアトキンソンサイクルに加え、燃料をシリンダー内に直接噴射する直噴システムを新たに採用することで、燃料を無駄なく燃焼させて高トルク化とエンジンモードでの走行可能領域を拡大しました。
これにより、低回転から高回転まで幅広い領域で燃費や排出ガスクリーン性能、静粛性を向上させるとともに、ドライバーの操作にリニアに応える爽快な加速も実現しています。
一方、スポーツe:HEVはパワーコントロールユニットの軽量化と高出力化を行うことでより力強い駆動を引き出し、さまざまな場面でトルクのある加速を実現しています。
加えて、質の高い軽快感を目指した低重心かつ高剛性のボディもシビックe:HEVの走りを際立たせ、専用設定やバネ下重量比率の低減などによっても一体感あるハンドリングや挙動にぶれのない安定感の高い走りを実現しています。
また、さまざまなシーンに応じて選択できるドライブモードにパワートレイン・ステアリング・メーターを個別に設定できるインディビジュアルモードを国内のホンダ車として初採用しました。自分の好みに応じたセッティングでのドライブモードを提供してくれることも特筆点といえます。
ジャジャ馬ではないものの、しなやかな乗り心地と、路面をトレースするのが手に取るようにわかるハンドリング、スムーズかつパワフルな加速フィールと、不満な点はないか探してしまうほどマイナス点は少ないです。
2025年7月の一部改良で、9万5700円アップし、e:HEV LXが409万4200円、e:HEV EXが440万3300円と、400万円オーバーとなってしまいましたが、この内容をみれば納得する仕上がりではないでしょうか。
電動ミニGT-Rといっても大袈裟じゃないノートオーラNISMO
2014年10月に初代モデルが発売されたノートNISMO。特に、専用チューンが施されたHR16DEエンジンに5速MTを組み合わせたNISMOSは低速からの力強いトルクとマニュアルならではの自在に操る快感が、かつてのボーイズレーサーを彷彿とさせました。
その後、2020年12月にフルモデルチェンジを行い、2021年8月にはより上質をまとったノート オーラがデビューしましたが、そのノート オーラとともに発表されたのがノート オーラNISMOです。
ベース車両に対してサスペンションの専用化に加え、車体剛性配分を最適化したことでクイックかつスムーズなハンドリングと高い操縦安定性を実現しました。
第2世代のe-POWERの特徴を最大限に活かしたNISMOらしい俊敏なレスポンスと伸びのある加速性能は大きな魅力で、電動車ならではの力強いレスポンスと伸びのある加速を実現するべくNISMOモードも新たに設定されました。
このNISMOモード選択時のレスポンスと伸びのある加速性能はまさにスポーツカーのそれで、他のドライブモード（ノーマルモード、ECOモード、ドライブシーン）と明らかに一線を画す気持ちの良いドライビングは爽快そのものといえます。
ちょっと大げさですが、電動ミニGT-Rといっても過言ではありません。
これに加え、NISMOのアイコンであるレッドアクセントのレイヤードダブルウイングを採用して低重心かつワイド＆ローフォルムを実現したエクステリアデザインも見るからにスポーティです。
無駄を削ぎ落した新世代のNISMOデザインはエネルギッシュでありながらも電動車ならではの先進感が巧みに表現されており、室内空間もまた走りへの集中と高揚感を掻き立てるスポーティさを強調した演出がなされるなど、ドライバーズシートに身を委ねた瞬間からテンションが上がることは間違いありません。
エクストレイルNISMO
SUVのなかで、快速ハイブリッドとしてまず挙げたのはエクストレイルNISMOです。エクストレイルNISMOは、「より速く、気持ち良く、安心して走れるクルマ」というNISMO思想を体現する一台です。
パワートレインは、VCターボ（可変圧縮比）の1.5L、直列3気筒DOHC（144ps/25.5kgm）にモーター（フロントが204ps/33.7kgm、リアが136ps/19.9kgm）を組み合わせています。
サスペンションには日産初となるカヤバ製Swing Valveショックを採用し（AUTECH SPORTS SPECと共通）、車高の高いSUV特有のボディモーションを抑えつつ、乗り心地の良さも確保しています。スポーティかつ乗り心地がジェントルなところがなかなかのものです。
さらに、専用チューニングのNISMO tuned e-4ORCEはリア駆動力配分を増やし、旋回時のライントレース性を高める制御を採用しました。コーナーの立ち上がりでは、リアからグイグイと押される感触があるほど、回答性がいい！
加えて、ミシュランパイロットスポーツEVの20インチタイヤを装着し、リム幅を広げることで応答性を強化しました。雪道やワインディングなど多彩なシーンで「速さと気持ち良さ」を味わえる仕様です。
デザイン面では、グリルにダーククロムのアクセント、レッドライン入りのサイドアンダースポイラー、ディフューザー形状のリアバンパーなど、空力とスタイルを両立。空気抵抗を悪化させることなく揚力を29％低減するなど、機能美を追求しています。
インテリアは黒基調にレッドアクセントを加え、オプションでRECAROスポーツシート（税込48万9500円）も設定。ホールド性と快適性を両立したドライビング環境を提供しています。
普通のヴェゼルe:HEVも脱帽です
ホンダの中核を担うコンパクトサイズのSUVがヴェゼルです。全長4340mmでWR-Vよりチョイ大きく、ZR-Vよりひと回りコンパクトです。
ZR-Vのハイブリッドもスポーティでなかなかオススメですが、悩んだ挙句、ヴェゼルのハイブリッドを選びました。なんというか、Tシャツを着たようなクルマとの一体感も感じられるからです。
そんなヴェゼルも2021年4月のデビューから3年が経ってマイナーチェンジを実施。フロントマスクのデザインを変更したことで、シャープな表情となって洗練度が増した印象です。
ヴェゼルには1.5Lガソリンエンジンを搭載する「G」グレード（4WDのみでFFはありません）が設定されますが、販売の中心は専用1.5Lエンジンと組み合わされるe：HEVモデルです（FF、4WDを設定）。
ヴェゼルe:HEV PLaYパッケージ（FF）。マイナーチェンジで「ここまでやるか！」と唸ってしまうほどの改良内容です。
バッテリーの使用範囲を約8％拡大し、エネルギーマネージメント制御変更によるEV走行領域の拡大、エンジンのオン/オフ頻度30％低減により、市街地でエンジン使用頻度を低減しました。
エンジンからハイブリッドモードに切り替わる際のタイムラグを低減し、高速道路やワインディングの勾配変化によるエンジン回転数の変動を抑制しました。
さらには電動パワーステアリングのソフトを変更し、車両挙動の分かりやすさと安定感を演出しました。またフロントダンパーの減衰力を緩め、縮み側の減衰力をやや強くし、その一方でリアダンパーの微小入力域の動きをよくしたことで、乗り心地と操縦安定性が向上しました。
最後は静粛性の向上です。フードインシュレーターの吸音材容量を約20％アップしたのをはじめ、ダッシュアウターインシュレーターの目付量を約40％アップ、ダッシュインシュレーターをハイブリッドインシュレーターに変更しました。
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