【絶好調? それとも瀬戸際?】欧州では瀕死も日本では絶好調 ディーゼルの現状と今後

日本車メーカーのクリーンディーゼル車

1.8L、直4のクリーンディーゼルエンジンを搭載するマツダ3XDモデル
1.8L、直4のクリーンディーゼルエンジンを搭載するマツダ3XDモデル
マツダのSKYACTIV-Dは低圧縮比燃焼技術により、高価なNOx後処理装置なしでも最新の排ガス規制※に適合。それにより低コスト化も実現。※国内ポスト新長期規制、欧州EU6規制のこと
マツダのSKYACTIV-Dは低圧縮比燃焼技術により、高価なNOx後処理装置なしでも最新の排ガス規制※に適合。それにより低コスト化も実現。※国内ポスト新長期規制、欧州EU6規制のこと

 では現状で日本メーカーの対応はどうかというと、欧州の輸入車ブランドのモデルに比べればかなり地味だが、乗用車でもディーゼル車は存在する。特にマツダはディーゼル導入を積極的に進めてきた。順に追って見てみよう。

 国内市場にディーゼル車を積極的にラインナップしている日本メーカーといえばマツダだろう。

 マツダは1.5L(1498cc、S5-DPTS型、マツダ2のみ)、マツダ3やCX-3/30に与えられた新世代の1.8L(1756cc、S8-DPTS型)、CX-5やマツダ6以上のクラスに2.2L(2188cc、SH-VPTS)の各直4ディーゼルターボをロードスターとOE供給の軽自動車を除いて設定している。

 低圧縮比化でNOxを減らしたことによって、後処理装置を追加せずに排ガス浄化を実現したこと(コストが抑えられる)が独自技術といえる。

 トヨタはいうまでもなくハイブリッド命ゆえに、ディーゼル車の導入には日本市場で見れば腰が引けているように思えても、世界一を目指すトヨタはSUVを中心とした海外モデルをもつだけあって抜かりはない。

 最近では大型ミニバンであるグランエースにも採用された「GD型」直4ディーゼルを用意する。

 2.8L(2754cc)直4「1GD-FTV」と2.4L(2393cc)「2GD-FTV」の直4ターボの2機種が用意され、2.8Lは前述のグランエースやランドクルーザープラド(1をはじめ、ハイエース(レジアスエース)の商用バンに設定。2.4Lはピックアップのハイラックスに採用する。

 ちなみに、国内の乗用系車種にディーゼルを採用していない日産やホンダ、スバルだが、商用系では日産のみNV350キャラバンのバン仕様にYD25DDTi型直4ターボ(2488cc)が用意している。

 現在、三菱自動車が国内で販売するモデルでは、デリカD:5とエクリプスクロスに2.2Lの4N14型直4(2267cc)ディーゼルターボを搭載する。

 海外では三菱のアジアを中心とした世界戦略車であるピックアップのトライトン/L200用に、2.4L、直4の4N15型(2442cc)も用意している。

 ちなみに日本自動車販売連合会が発表している乗用車における燃料別販売台数(2020年2月)を見ると、ディーゼル車の割合は、マツダが5548台(ディーゼル比率40.4%)、三菱が1185台(ディーゼル比率38.9%)、トヨタが967台(ディーゼル比率0.8%)となっていて、ディーゼル乗用車全体では1万3098台で、ディーゼル比率は乗用車販売全体の5.6%となっている。

輸入車ディーゼルはよりどりみどり

写真は左からアテンザ XD、BMW 320d、ベンツ E220d、VWパサート TDI。全車、日本のポスト新長期規制に対応したディーゼル車
写真は左からアテンザ XD、BMW 320d、ベンツ E220d、VWパサート TDI。全車、日本のポスト新長期規制に対応したディーゼル車

 いっぽう、ドイツ勢を中心とした輸入車はディーゼル車を積極的に採用してきた。

 日本市場でも、メルセデスやBMWはセダンからSUVまで様々な車種に採用が進み、プジョー・シトロエンは小型車の308などを含めてディーゼル搭載車を導入するなど、選択の幅が広がってきている。

 2010年頃のディーゼルの輸入台数は、1年間に2400台程度だったが、2015年には10倍以上の2万9000台に増えた。

 全体に占めるクリーンディーゼル車の割合は前年より3.7ポイント上昇し26.9%となり、8年連続で過去最高を更新し、18万7038台を販売した。

次ページは : 電動化技術とのせめぎ合い、ディーゼルは今後どうなる?

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