1位:ホンダフィット
●買い得グレード:1.3Lガソリン・ホーム(171万8200円)
■室内空間/長さ1955mm、幅1445mm、高さ1260mm
全長が4000mm前後、全高が1550mm以下のコンパクトカーで、後席が最も快適な車種はフィットだ。
身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先には握りコブシが2つ半収まる。これはミドルサイズセダン並みの余裕だ。後席の頭上にも握りコブシ2つ弱の空間があるから、長身の同乗者でも窮屈に感じにくい。
座り心地は座面の柔軟性がいまひとつだが、不満はない。座面の前側を少し持ち上げて、大腿部のサポート性も向上させた。
先代型が装着していた背もたれの角度を変えるリクライニング機能は、現行型では省かれ、先代型の寝かせた角度で固定されている。
座面の柔軟性が不足した理由は、荷室の多彩なアレンジを可能にしたからだ。フィットは燃料タンクを前席の下に搭載するので(ほかの車種は後席座面の下側)、後席を床面へ落とし込むように小さく畳み、床の低い大容量の荷室に変更できる。後席の座面を持ち上げて、車内の中央に背の高い荷物を積む機能も備わる。
このようにフィットは、全高が1550mm以下のコンパクトカーでありながら、後席の居住性と荷室の使い勝手が優れている。かつて200万円前後で売られていたミドルサイズカーと同様、ファミリーユーザーにも適している。
2位:日産ノート
●買い得グレード:e-POWER・X・Vセレクション(219万6700円)
■室内空間/長さ2065mm、幅1390mm、高さ1255mm
全高が1550mm以下のコンパクトカーで、後席の居住性がフィットの次に快適なのはノートだ。
身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半だから、フィットと同等の余裕がある。頭上には握りコブシが2つ弱収まり、フィットよりも若干広く感じる。
注意したいのは売れ筋のe-POWERだ。NAエンジン車に比べると、後席に座った乗員の足が前席の下側に収まりにくい。
前席の下に駆動用リチウムイオン電池を搭載したためだ。この影響でe-POWERは、足元空間が実質的に少し狭まり、膝が持ち上がりやすい。
現行ノートの発売は2012年だから(e-POWERは2016年)、座面の柔軟性とサポート性が不足気味だが、後席からの視界は開放的でリラックスできる。ファミリーカーとして4名で乗車する用途にも適する。
荷室容量も十分だが、シートアレンジはフィットほど多彩ではない。後席の背もたれを前方に倒した時に座面が下がる機能はなく、広げた荷室の床に段差が生じる。購入時には後席の快適性や荷室の使い勝手をフィットと比べて判断すると良い。
3位:トヨタパッソ
●買い得グレード:X・LパッケージS(136万9500円)
■室内空間/長さ1975mm、幅1420mm、高さ1270mm
パッソは全長が3650mm(上級のモーダは3680mm)、全幅は1665mm、全高は1525mmだから、コンパクトカーのなかでもボディが特に小さい。
ただしダイハツが開発と製造を行うので(ダイハツブランドのブーンもある)、軽自動車の手法を使って開発され、空間効率は優れている。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシが2つ少々収まる。
後席の座り心地は、柔軟性が不足しており、座面の奥行寸法も少し短い。座り心地は良くないが、後席に座った乗員の足が前席の下側に収まることもあり、着座姿勢は良好だ。
短いボディで後席の足元空間を広げたから、荷室長は短い。後席の背もたれを前側に倒すと、広げた荷室の床に段差が生じる。
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