4位:トヨタヤリス
●買い得グレード:1.5G(175万6000円)
■室内空間/長さ1845mm、幅1430mm、高さ1190mm
ヤリスの居住性は、前席はインパネの質感も高くて快適だが、後席は割り切った。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ少々だ。
この足元空間は、従来型のヴィッツと比べても狭い。ヴィッツでは前述の測り方で、後席の膝先空間は握りコブシ2つ分であった。
ヤリスの前後席に座る乗員同士の間隔は、ヴィッツに比べると37mm減った。床と座面の間隔も32mm下まわるから、ヤリスは足元空間が狭く、なおかつ腰が落ち込んで膝の持ち上がる座り方になった。
その代わり後席に座る乗員の足が前席の下側に収まりやすいため、膝先空間が狭い割に窮屈感を抑えた。座面には適度な柔軟性があって座り心地も良く、座面の前側を少し持ち上げたから、大腿部が離れにくい。また頭上空間は握りコブシ1つ弱を確保した。
荷室の面積は相応に確保されるが、リアゲートを寝かせたから、背の高い荷物は積みにくい。ボディスタイルを優先させた設計だ。
5位:スズキスイフト
●買い得グレード:マイルドハイブリッドRS(182万500円)
■室内空間/長さ1910mm、幅1425mm、高さ1225mm
スイフトはヤリスと同様、前席を優先させた。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ半になる。頭上の余裕は握りコブシの半分程度だ。
座面の柔軟性はヤリスに負けるが、スイフトも腰の支え方は良い。後席に座る乗員の足が前席の下に収まり、着座姿勢にさほど無理は生じない。
ただし、外観デザインに塊感を持たせるため、サイドウインドウが少し狭いので、後席に座ると閉鎖感が伴う。後席の外側のドアハンドルを高い位置に装着したから、ドアの開閉性も良好とはいえない。
荷室容量は全長が3840mmのボディサイズに見合うものだが、後席の背もたれを前側に倒すと、広げた荷室の床に段差が生じやすい。
6位:マツダ2(旧デミオ)
●買い得グレード:XDプロアクティブSパッケージ(215万6000円)
■室内空間/長さ1805mm、幅1445mm、高さ1210mm
マツダ2はかなり前席を優先させた作りになっている。インパネの質感は高く、前席は座り心地も快適だが、後席は窮屈だ。
身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は、握りコブシ1つ分にとどまる。
しかも全高が1445mmと低めに抑えられ(フィットに比べると70mm下まわる)、ルーフを後ろ側に向けて下降させたから、後席は天井がかなり下がった。そのために着座位置も低く、腰が落ち込んで膝の持ち上がる座り方になりやすい。
シート自体には柔軟性があり、座り心地も悪くないが、足元空間の狭さと着座姿勢が災いして後席の快適性を下げた。
ルーフを後方に向けて下げたから、後席はドア開口部の上側が低い。そのために頭を下げて乗り降りする。前述のように後席の足元空間も狭いため、乗降時の足の取りまわし性も良くない。
したがってファミリーカーには向かない。後席にチャイルドシートを装着する使い方なら問題ないが、子供を後席のチャイルドシートに座らせる時、子供の頭部とドアの低い開口部が干渉しやすい。子供を抱えて車内に入る時、子供の頭をぶつけないように注意したい。
荷室容量も狭めだ。ルーフを後方に向けて下降させたから、荷室の上下寸法が不足した。
リアゲートの角度も寝ているから、背の高い荷物は積みにくい。このようにマツダ2は、前席を優先させたクーペ的な価値観に基づいて開発されている。
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