銀座のネオンという美しさを倍増させるスパイス
午前10時に始まった宴は、午後19時まで続いた。 日が暮れ始めると、会場の空気は一変した。KK線沿いに掲げられた「プリマハム」や「不二家」といったお馴染みの看板に灯がともる。銀座のネオンが、空冷ポルシェの滑らかな曲線に反射し、昼間とは違う表情を描き出した。
1998年をもってポルシェの空冷時代は幕を閉じた。 それから30年近くの月日が経とうとしている。しかし、このKK線に集まった200台の個体と、それを取り囲む熱狂的なオーナー、そして観客たちの眼差しを見ればわかる。日本では今もなお、空冷ポルシェという文化が大切に、そして力強く生き続けているのだ。
楽しい時間は、残酷なほど早く過ぎ去ってしまう。 KK線という、もう2度と戻れないかもしれない特別なステージでの夢が、終わりを迎えようとしている。
やがて1台、また1台と空冷エンジンが目覚める。 乾いたセルモーターの音に続き、独特で癖になるハスキーな空冷サウンドが、銀座のビル群に反響した。夢が現実へと溶け出し、展示車両たちは自走で会場を後にした。
美しき排気音とともに風に乗って届いた、微かなガソリンの残り香。 それは、幼い頃にミニカーを並べて妄想していたあの日の記憶と、目の前の現実がリンクした瞬間だった。
最後のテールランプがコーナーの向こうへと消え、空冷の呼吸が途絶えた。ジワジワとくる切なさと、一生消えないであろう熱い残像。ボーッと静まり返ったKK線を見つめて、余韻という言葉だけでは片付けられない、複雑な感情が芽生えた。
まるで、もう会うことが叶わない大好きな人を見送るかのように。
【画像ギャラリー】料金所にポルシェとか湾岸ミッドナイトじゃん!! 夢のような空冷ポルシェイベントの臨場感を味わい尽くせ!!(29枚)画像ギャラリー






























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