これは困る 性能、価格、デザインで迷ったら… 人気カテゴリー三つ巴対決 7選

■ミドルクラスSUV対決 RAV4 vs CX-5 vs フォレスター

(TEXT/国沢光宏)

 自分で買うならRAV4ですね。先日ハイブリッド仕様をジックリ試す機会があった。驚きの連続でしたね!

 まず予想以上にパワフル。ふつうのRAV4は2Lエンジンながら、ハイブリッドについちゃ2.5L。全開加速すると、そいつにモーター出力が加わるのだから当然か。

●トヨタ RAV4

昨年4月に復活した現行型は歴代5代目。2Lガソリンのダイナミックフォースエンジンと2.5L HVを設定

 少し膨らませると3Lエンジン搭載モデルくらいの動力性能を持つ。アクセル踏んだ時のレスポンスだってCX-5のディーゼルに負けない。

 それでいて驚くほど燃費いい! 東京~福島県まで少し丁寧に走ってみたら20.0km/Lを軽く超えた。都内を普通に流したって15.km/Lを割らないのだからステキです。

 人気のSUVとしての存在感だって大きい。世界的な大ヒット車になりつつあるRAV4ながら、当然かもしれないと思う。動力性能から燃費、実用性、4WD性能を含め、これほどバランスいいモデルなし。自動ブレーキ性能だって世界トップ級だ。

 次点はCX-5。2.2Lディーゼルの走りたるや素晴らしい! レギュラーより安価な軽油を使うため、燃料コストでRAV4のハイブリッドとイーブンである(ただチョイ乗りばかりしているとススが溜まるので薦めない)。

●マツダ CX-5

2016年12月登場の現行は2L&2.5Lガソリン、2.5Lガソリンターボ、2.2Lクリーンディーゼルを設定

 自動ブレーキ性能高く、走りの楽しさで少しRAV4に届かないものの、4WDのトラクション性能は生活4WDじゃ世界的に見てもスゴイ。マツダ好きならCX-5買って置けば間違いなし。

 フォレスターもいいクルマなのだけれど、あまり“華”がない。ワクワクしない、と言い替えてもよかろう。動力性能高いワケでもなく燃費はこのカテゴリーで一番悪い。

●スバル フォレスター

2018年9月に登場した現行5代目は歴代で初めてターボ車とMT車の設定が消滅。SGPを採用

 自慢の4WD性能も、雪道に行くとCX-5に負け、攻めた時の楽しさじゃRAV4に届かない。自慢だった自動ブレーキはRAV4と比べたらハッキリ負け。CX-5との比較でも勝てません。

 スバルの地盤沈下、けっこう厳しいと考えます。

●POINT…RAV4:95点/CX-5:85点/フォレスター:70点

■軽スーパーハイトワゴン対決 N-BOX vs タント vs スペーシア

(TEXT/吉川賢一)

「軽スーパーハイトワゴンの弱点は、コーナリングだ」と思われがちだが、実は高速直進性のほうが、より脆弱だ。

N-BOXにタント、スペーシア。ズラリ揃った軽自動車のスーパーハイト系モデルは、今最も注目を集めるカテゴリーだ

 ボディ側面の面積が大きく、またタイヤのグリップレベルが低いため、横風や路面の突起で進路を乱されやすい。こうしたボディ形状を採用するかぎり避けては通れない弱点であり、これらの弱点に対して、どういった対策を打っているのかがポイントとなる。

 まずスペーシアは、おそらくボディ形状を考慮して、ステアリングギア比をかなりスローにしている。ほかの2台よりもステアリングを切る量が多く、急ハンドルになりにくいため、コーナーでボディがグラッとしにくい、といった特徴があるが、ややスローすぎるようにも感じる。

●スズキ スペーシア

2017年12月に登場した現行型は2代目。ノーマルとカスタムの2種類があり、デビューから1年後の2018年12月にはクロスオーバー風のスペーシアギア(写真)を設定した

 タントは、コーナリング時のロールやピッチが、やや大きく感じる。新世代のDNGAにより、プラットフォームを磨いた(フロントロールセンター高を下げた)と聞いたが、ボディモーションを改善する方向にはあまり働いていないように感じる。

●ダイハツ タント

昨年7月にフルモデルチェンジされた現行モデルは、初のDNGAプラットフォーム採用によりあらゆる面で進化

 N-BOXは、中低速(30km/h~60km/h)での操舵力が、ほかの2台に比べて若干重ためだ。

 手ごたえがしっかり返ってくるので、直進時も走らせやすいし、コーナーでも切りすぎないため、グラッとすることも少なくすむ。安全にコーナーを曲がるという視点では、N-BOXが最も優れている。

●ホンダ N-BOX

このカテゴリーの王者ともいえるバカ売れモデル。現行型は2017年8月にフルモデルチェンジされた2代目

 また、N-BOXとタントには、アダプティブクルーズコントロールと車線逸脱防止制御が備えられているが、スペーシアは前走車追従ができないクルーズコントロールのみで、かつステアリングアシストもついていない(車線逸脱警報はついている)。スペーシアには先進技術の搭載が必要だ。

 軽スーパーハイトワゴンは、車室内の広さや、荷室の使い勝手、スライドドアの大きさなどに目を奪われてしまいがちだが、走りやすさや走りの質感も大切な要素だ。

 現時点で最もバランスが取れているのは、王者「N-BOX」だといえよう。

●POINT…N-BOX100点/タント90点/スペーシア:70点

次ページは : ■軽ハイトワゴンモデル対決 N-WGN vs デイズ/eK vs ワゴンR

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