これは困る 性能、価格、デザインで迷ったら… 人気カテゴリー三つ巴対決 7選

■軽ハイトワゴンモデル対決 N-WGN vs デイズ/eK vs ワゴンR

(TEXT/吉川賢一)

 ひと昔前の軽自動車では考えられないほどの快適性と走行性能、そして先進の安全装備を手に入れた、昨今の軽ハイトワゴン。衝突被害軽減ブレーキはもちろんのこと、誤発進抑制機能など、安全性能面の装備も抜かりなく用意されている。

 なかでも「ホンダセンシング」を標準装備するN-WGNは、渋滞追従機能付のACCやLKASも標準装備されるなど、先進運転支援装備も充実している。

●ホンダ N-WGN

昨年8月にフルモデルチェンジされ、ホンダの軽では初採用の前車速追従型となるホンダセンシングを搭載

 速度に乗せてACCをセットしてしまえば、軽だというのを忘れてしまうほどによく走り、乗り心地もよく、ロードノイズもよく抑えられており、運転疲れもひと際少ない。一般的なステアリングチルト(上下)にテレスコピック(前後)調節がついているのもポイントだ。

 デイズは心地よい乗り心地とロードノイズの低さがポイントだ。段差や道路のつなぎ目を通過する際、サスペンションが路面の凹凸をよくいなすため、受けるショックが小さくすむ。ロードノイズが静かになったことも乗り心地のよさに貢献している。

●日産 デイズ

NMKV開発軽トールワゴンの2代目モデルで、昨年3月にフルモデルチェンジ。軽初のプロパイロットを採用している

 また、ACCとLKASを含む「プロパイロット」をオプション採用している点もポイントだ。ただし、プロパイロットのLKASは、すぐ目の前の道の中央を正確に走るよう狙いすぎる傾向があり、直進走行していても、ハンドルが左右に小さく振れる動きをし、少し印象がよくない。素の直進性が高いだけにもったいなく感じる。

 ワゴンRは、LKA(レーンキープアラーム)のみ、ほかの2台にはある先進運転支援技術が設定されておらず、時代遅れ感が出てしまっている。

●スズキ WAGON-R

初代モデルを現代風にアレンジした外観デザインを採用した現行型は2017年2月登場の6代目モデルだ

 そのぶん、車両価格は安いことは顧客にとって嬉しいものだが、筆者は、運転が不安定になりがちな軽自動車にこそ、こうした先進運転支援技術は必要だと考える。

 せめてメーカーオプションとして設定し、ユーザーが選択できるようにしていただきたい。しかし、ヘッドアップディスプレイは3台のなかで唯一、オプション採用されている。

●POINT…N-WGN:100点/デイズ/eK:95点/ワゴンR:80点

■Cセグハッチバック車対決 カローラスポーツ vs マツダ3 vs インプレッサスポーツ

(TEXT/渡辺陽一郎)

 居住空間が最も広く開放的なのはインプレッサだ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシふたつ半になる。

 マツダ3はひとつ半、カローラスポーツはひとつ少々だから3ナンバー車なのに窮屈だ。前席のサポート性はカローラスポーツがいい。マツダ3も腰の支え方は優れるが、肩周りは少し弱い。インプレッサはリラックス感覚が伴う。

 視界と取り回し性は、インプレッサとカローラスポーツなら不満はないが、マツダ3は斜め後方が見にくい。

●インプレッサスポーツ/カローラスポーツ/マツダ3

インプレッサスポーツ(写真右)2016年登場の現行5代目は昨年マイチェンを受けた/カローラスポーツ(写真中)2018年6月、従来のオーリスから車名を変更して登場/マツダ3(写真左)先代アクセラから車名を変更し、昨年5月登場

 動力性能はマツダ3のクリーンディーゼルターボが力強い。燃費も優れ、性能のわりに低価格。ただしSKYACTIV-Xは高い。

 マツダ3とインプレッサの2Lは、少しパワー不足だが扱いやすい。カローラスポーツの1.2Lターボは、性能がさらに足りない。ハイブリッドの燃費はいいが加速性能が不満だ。

 走行安定性はマツダ3が1位。下り坂のカーブや高速道路では後輪の接地性が高く、なおかつ操舵角に応じて自然に曲がる。カローラスポーツは後輪の接地性は高いが、マツダ3に比べると少し曲がりにくい。インプレッサはこの傾向がもう少し強まり、操舵感は穏やかだ。

 乗り心地は、インプレッサの足回りが比較的柔軟に伸縮して、17インチタイヤ装着車は快適に感じる。ほかの2車種は硬めだが、マツダ3の1.5Lエンジン搭載車は意外に印象がいい。開発者は「この足回りとタイヤでは、ボディが軽いほうがいい動きをして快適になる」という。

 結論をいえば4名乗車時の快適性や運転のしやすさなど、ファミリーカーの用途を考えるとインプレッサがベストだ。ドライバー優先で運転の楽しさを重視するならマツダ3になる。

 カローラスポーツは中間的な性格で幅広いユーザーになじみやすいが、ハッチバックモデルでは趣味性も重視されるため、もう少し性格を明確にしたほうが選びやすい。

●POINT…カローラスポーツ:70点/マツダ3:80点/インプレッサスポーツ:82点

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