自分の愛車を選ぼうとすると、カテゴリー問わず、不思議と競合するモデルが3車種ほどあるもの。
そこで、本企画では特に熾烈な争い、いわゆる“三つ巴”を繰り広げているカテゴリーを7つ抽出し、優位な車種を決めてみたい。勝ち抜くのは果たしてどのモデルなのか!?
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※本稿は2020年3月のものです
文:渡辺陽一郎、国沢光宏、吉川賢一、松田秀士/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年4月26日号
■コンパクトカー対決 ヤリス vs フィット vs マツダ2
(TEXT/渡辺陽一郎)
居住空間と荷室はフィットが最も広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は、握りコブシふたつ半に達する。ミドルサイズセダンと同等だ。ヤリスはひとつ少々、マツダ2はひとつ分に狭まる。
フィットは燃料タンクを前席の下に搭載したから荷室も広く、床下には大容量の収納ボックスも備わる。
●トヨタ ヤリス
後席の座面を持ち上げて、車内の中央に背の高い荷物を積むことも可能だ。ヤリスとマツダ2は、リアゲートを寝かせたこともあって荷室は広くない。
エンジン性能を比べると、実用回転域の駆動力が最も高いのはマツダ2のクリーンディーゼルターボだ。ディーゼルの走りと低燃費が約200万円(XDプロアクティブ)で手に入る。マツダ2はガソリンも1.5Lのみだから加速性能に余裕がある。
ハイブリッドではフィットのe:HEVがベストだ。通常走行では、エンジンは発電を行って駆動はモーターが受け持つから、加速が滑らかで瞬発力も高い。ノイズは小さい。1.3Lのノーマルエンジンは動力性能が足りない。
●ホンダ フィット
ヤリスの1Lエンジンはパワー不足だが、1.5Lのノーマルタイプとハイブリッドは性能が高い。ただし加速時には3気筒特有のノイズが耳障りだ。
走行安定性はヤリスが優れ、軽快に向きを変える。フィットも良好だ。マツダ2も安定性は高いが、発売から5年以上を経過して操舵した時の反応が少し鈍い。乗り心地はタイヤと指定空気圧で異なる。
快適なのはフィットの1.3Lエンジンと16インチタイヤ、ヤリスの1.5Lと15インチタイヤの組み合わせだ。
3名以上の乗車で使う機会が多いなら、車内の広いフィットを推奨する。総合力では最強だ。2名以内で使ったりスポーティ感覚を大切にするならヤリスがいい。マツダ2の性格はヤリスに近いが、今では古さを感じる。それでもディーゼルには特徴がある。
●マツダ2
●POINT…ヤリス:80点/フィット:93点/マツダ2:70点
■コンパクトSUV対決 C-HR vs CX-30 vs XV e-BOXER
(TEXT/国沢光宏)
この対決、私なら0.1秒も迷わない。XVを選びます。なぜか?
まずC-HR。トヨタGA-C(TNGA)に共通するのだけれど、スペースユーティリティがあまりよくない。C-HRに乗ったことのある人なら説明するまでもないと思う。
●トヨタ C-HR
なかでも厳しいのはラゲッジスペース。Cセグで300万円近いクルマだと考えたらリアシートだって狭い。よほどのC-HR好きじゃないかぎり、もう少し予算足せば買えるRAV4を選ぶかと。
また、C-HRの大きな魅力になっていた乗り心地とハンドリングは、マイナーチェンジでコストダウンを行い、ザックスのダンパーから国産になってしまったうえ、サスペンションも簡略化されている。乗り比べるとハッキリ前期型より劣化した。
GRバージョンを選べば前期型と同じようなハンドリングを楽しめるものの、高価。クルマ好きからすれば大幅に魅力を失ってしまったように思う。いいクルマだったのに残念!
CX-30も高価でリアシートとラゲッジスペースが狭い。これまた少しだけ予算を上乗せしてやればすべての点で素晴らしいCX-5に手が届く。CX-5のディーゼル搭載モデル、日本車ベスト10に入るいいクルマだと思う。
●マツダ CX-30
CX-30のデザインにマイッタという人なら、素直に購入すると幸せになれるだろう。ただそういった人はほかのクルマに関心ないハズ。こんな記事読まず、迷わずCX-30を買うことをすすめておく。
ということでバランスいいのはXVだ。Cセグメントとしてふさわしいキャビンスペース&ラゲッジスペースを確保しているし、ハンドリングだって良好。
スバルの新世代プラットフォーム、とってもいい。さらに歩行者用エアバッグを標準装備するなど、社会的な加害性も少ない。すべてのクルマに歩行者エアバッグを付けてくれたらいいのに、とさえ思う。
●スバル XV e-BOXER
燃費が不満ならすっぱり諦め、RAV4かCX-5を選べばいい。
●POINT…XV e-BOXER:85点/C-HR:70点/CX-30:75点
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