実車は写真で見るよりもグラマラスでクリーン!
実車は写真で見るよりもはるかにグラマラスでクリーン、かつ近年稀に見る美しさであった。力強さと繊細さが絶妙なバランスで融合し、それがある種の新しい洗練さえ表現している。
ボディサイズは全長4656×全幅1974×全高1301mm、ホイールベースは2670mm。エクステリアデザインでは、フロントの突き出したシャークノーズ、リアには、リアスクリーンとデザインを一体化させた可動式リアスポイラーなどを備えている。
なかでも注目すべきは横からみたプロポーションで、(アストンマーティンのクーペのように)完璧なロングノーズ&ショートデッキスタイルをあえて採らなかった。
シャープに落としたノーズを可能な限り長く見せ、キャビンをやや後方においたうえでコーダトロンカにし、リアを短く小さくまとめた。絶妙に崩したのだ。そのわずかなアンバランスさがエレガンスを生んでいる。
優雅で未来的なツインコクピット
インテリアのテイストも既存モデルとはまるで違っている。ツインコクピットには無骨さのかけらもなく、スポーティで優雅で未来的でもあった。
ドライバーとパッセンジャーに別々の空間を生み出す手法が取り入れられた。また、HMIが再設計され計器類はデジタル化されており、メーターパネルに16インチHDスクリーン、中央に8.4インチHDセンターディスプレイが装備されている。
620psのV8ツインターボをフロントミドシップに搭載
もちろん、最新の跳ね馬らしくパフォーマンスもこだわる。620ps/760Nmを発生する3.9L、V8ツインターボは、まるで精密な自然吸気エンジンに手を入れるがごとく、チューンナップで進化させ、SF90ストラダーレと同じ最新の8速DCTシステムを組み合わせた。
パフォーマンスは0~100km/h加速が3.4秒、0~200km/h加速が9.3秒。最高速は320km/hを誇る。
ベースとなったのは、リトラクタブルルーフをもつポルトフィーノなのだが、新設計パーツは実に7割におよび、ボディ剛性や足回りなどもグレードアップが図られている。
それゆえ値段も少し高くなったが、内容を考えたなら(屋根は開かないけれども)、2682万円という新型ローマの価格は“安い”と言っていい(もちろん庶民にとっては高いが)。
新型フェラーリの試乗はいつも楽しみでしかないわけだけれども、そこに近年の跳ね馬にはなかった視覚的な美しさという要素が加わったとき、いったい乗りながらどんな快感に見舞われるというのだろうか。コロナ終息後に予定されている試乗(本来は2020年6月だった)が本当に待ち遠しい。
■フェラーリローマ主要諸元
全長×全幅×全高:4656×1974×1301mm
ホイールベース:2670mm
駆動方式:FR
車両重量:乾燥重量1472kg
エンジン:3855cc、V8ツインターボ
最高出力:620ps/5750~7500rpm
最大トルク:760Nm/3000~5700rpm
トランスミッション:8速F1デュアルクラッチギアボックス
価格:2682万円
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