2026年4月1日からCEV補助金の評価制度が大きく見直された。これにより補助金額が大幅アップしたモデルもあれば、一気に減額されたクルマも登場し、まさに悲喜こもごもな状況だ。最新の評価基準と補助金の増減をわかりやすく解説する。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock
評価項目が大幅刷新! 車種ごと、企業ごとの総合力で評価
2026年4月1日からの令和8年度クリーンエネルギー自動車(CEV)補助金は、従来の制度をベースとしつつ、評価基準の見直しが実施された。
最大の特徴は、これまで重視されてきた航続距離や電費といった「車両単体の性能評価」から、メーカーの取り組みや社会インフラを含めた「総合評価」へと、より踏み込んだ点にある。
補助額の算定は引き続き200点満点の総合評価方式を採用するが、配点の重点が見直され、とくに充電インフラ整備や供給の安定性といった項目がより重要視されるようになった。背景には、EV普及のボトルネックが「クルマの性能」から「利用環境」へ移行している現状がある。
また、近年の国際情勢を踏まえ、リチウムやコバルトなどの重要鉱物の確保やサプライチェーンの安定性といった観点も評価の対象として強化される方向にある。これにより、単に性能の高い車両だけでなく、持続可能な供給体制を持つメーカーがより高く評価される仕組みとなる。
さらに、整備体制や人材育成、サイバーセキュリティ対応といった「ユーザーが安心して乗り続けられる環境」も引き続き重要な評価軸である。加えて、製造から廃棄までのライフサイクル全体でのCO₂削減や、リサイクル・リユースへの取り組みも評価されるなど、環境性能はより広い視点で捉えられている。
GX推進((グリーントランスフォーメーション)の観点では、低炭素鋼材(グリーンスチール)の採用などに対する加算措置が設けられており、単なる車両の電動化にとどまらず、製造プロセス全体の脱炭素化を促す制度設計となっている。
このように令和8年度のCEV補助金は、「性能評価型補助」から「産業政策・社会インフラ一体型補助」へと進化しているのが特徴である。EV普及の次のステージを見据え、持続可能性と実用性を両立するメーカーを選別する制度へと転換しつつあるといえる。
自動車メーカーと車両の取り組みを200点満点で評価し「グリーン鋼材」の採用意欲により最大5万円を上乗せする仕組みになっているが、4月以降は、配転の半分を占める100点を供給の安定性/サイバーセキュリティへの対応が大幅に配点が増加した。
わかりやすくいうと、高得点を獲得するにはクルマの性能ではなく、むしろ、車種ごと、企業ごとでその取り組みを総合評価し、「日本でどれだけEV社会を支えているか」である。
脱炭素(CO2削減)を軸に、産業や社会の仕組みそのものを変えていくこと、つまりGX推進にどれだけ貢献しているか重視されているのだ。
1:基本の補助額の評価項目と配点
車両性能(20点)、充電インフラ整備(40点)、供給の安定性/サイバーセキュリティへの対応(100点)、整備の体制/整備人材の育成(25点)、ライフサイクル全体での持続可能性の確保(10点)、自動車の活用を通じた他分野への貢献(5点)。合計200点。
2:加算額の評価基準
環境負荷の低減及びGX推進に向けた鋼材の導入に関する計画・取組を評価し、最大5万円(軽EVは最大3万円)を加算。
3:補助額の決定方法
車種ごと・企業ごとの総合評価点に基づき、基本の補助額を決定。加算額を加えた合計が最終的な補助額となる。
4:車両性能の評価基準
電費性能、一充電走行距離、外部給電機能の有無、火災防止対策などを評価。FCVは評価対象外。
5:充電インフラ整備の重要性
公共用急速充電器の設置数や利用者の利便性確保に向けた取り組みが評価される。FCVの場合は水素充てんインフラの整備が評価対象。










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