キャリィ、アクティ、ハイゼットら軽トラックを徹底比較!! 軽トラNo.1はどれ!?!?

■農道のポルシェの後釜はいるか?

 かつて日本の農道には「農道のポルシェ」と呼ばれたクルマがいた。それがスバル・サンバー。

 リアエンジン・後輪駆動の、いわゆる「RR」マシンは多くの軽トラユーザーに愛されたもののすでに絶版。現行車種ではハンドリングに優れる軽トラはいるのか? まさかのハンドリングチェック、やっちゃいました(ベストカーWeb編集部)。

 走行安定性が最も優れているのはアクティだ。前後の重量配分は、車検証の記載値で58:42%とバランスがいい(キャリイは前輪が61%・ハイゼットは63%)。

 軽トラックとしては正確に向きを変える。ボディの後部にエンジンを搭載しながら、旋回時に慣性の影響を受けにくく、4輪が粘りながら曲がる感覚だ。操舵した時の手応えもしっかりしている。

 2位はハイゼット。アクティはミドシップの特性を抑えるために、後輪の接地性を意図的に高めた印象だが、ハイゼットは自然な感覚だ。3位はキャリイ。操舵感は少し鈍いが車両の挙動は安定しており、ハイゼットとの違いは僅差となる。

実は「農道のNSX」の異名も持つミドシップのアクティ。キビキビした走りは最高だ
実は「農道のNSX」の異名も持つミドシップのアクティ。キビキビした走りは最高だ

■小回りキングはどれだ?

 軽トラックは小回りが効くことも大事。なんせ農道はとてつもない曲率があることも。しかも勾配が付いていたりすると切り返すのも怖い。

 さらに農道の脇には用水路などのトラップもあるから一発でサクッと曲がりたい!! そんな時のためにこのテストを実施しました(ベストカーWeb編集部)。

 軽トラックは農業のツールとして使われることが多く、あぜ道を走る時は頻繁に直角に曲がる。小回り性能が重要で、ハイゼットとアクティはホイールベースを1900mm、キャリイも1905mmに抑えた。そこで小回りの利きを実測した。

【回転内側直径実測値(カッコ内はカタログ値の最小回転半径)】

(1) アクティ 3.23m(3.6m)
(2) キャリイ 3.58m(3.6m)
(3) ハイゼット 3.79m(3.6m)

 駐車した状態で、左タイヤが接する路面をマーキングする。そこからハンドルを左へロックするまで回して、徐行しながら180度旋回する。

 この状態で左タイヤが接する路面にもマークを付け、旋回の内径を測った。カタログに記載される最小回転半径はすべて3.6mだが、実測値はアクティが最も小さく、次いでキャリイ、ハイゼットの順番で拡大した。アクティは確かによく曲がる。

カタログ値ではすべて3.6mという最小回転半径だが実測ではアクティが最小。どの軽トラも限られたスペースのなかで完成度は非常に高い
カタログ値ではすべて3.6mという最小回転半径だが実測ではアクティが最小。どの軽トラも限られたスペースのなかで完成度は非常に高い

■荷物を積むには荷台も大事!!

 軽トラは農業や漁業だけのマシンではない!! 工務店や表具店などでも愛される相棒なのだ。

 そこで大事なのが荷台の広さ。スペック上はほとんど同じなのだが、それではテストの意味がない。積みやすさも合わせて実測しちゃいました(ベストカーWeb編集部)。

 軽トラックで重要な荷台の広さを床面部分で実測すると、長さはキャリイとハイゼットが同程度でアクティは短い。

 試乗車がオプションの荷台保護パネルを備えていたことも影響したが、カタログの記載値もライバル2車を90mm下まわる。荷台幅は3車とも同等だ。

 荷台の床面地上高はキャリイが低く、重い荷物を積む時の作業が少しラクになる。

 キャリイは約3万6000kmを走ったレンタカーだから劣化も考えられるが、カタログ値もハイゼットとアクティが駆動方式を問わず660mm、キャリイは650mmと低い。

 最低地上高はキャリイとハイゼットが160mm、アクティは185mmと高い。仮にアクティの最低地上高がライバル2車と同じなら、荷台は最も低くなる。

こう見ると広々の軽トラの荷台。写真のキャリイは荷台地上高が実測値でもっとも低かった
こう見ると広々の軽トラの荷台。写真のキャリイは荷台地上高が実測値でもっとも低かった

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