次期アウトランダーと基本コンポーネントを共用
エクストレイルとアウトランダーの次期型はプラットフォーム&基本コンポーネントを共用しながら、ボディパネル、足回りなどを別設計として開発が進められていた。
ところが両社の経営悪化が表面化し、より進化した開発投資のコスト節減が求められるようになった。
このためボディパネルを含めた構成部品のさらなる共用化という、若干の路線変更が必要になり、これが次期型の投入先送りの要因のひとつになったとの見方もある。
現行シリーズでは2LガソリンNA、同1モーター&2クラッチ方式のストロングハイブリッドであるが、次期型では2LガソリンNAは変更なく、同ストロングハイブリッドはモーターアシスト方式のマイルドハイブリッドに切り替わる。
ストロングハイブリッドは得意のシリーズハイブリッドである1.2Lのe-POWERに引き継ぐ。
こちらは発電用に使われる1.2Lガソリンエンジンが1.5Lに排気量を拡大するという情報もあるが、現段階ではどちらをチョイスするのか定かではない。
駆動方式のFF、4WD、CVTとの組み合わせは従来ユニットの改良で対応する。全パワーユニットも同じ組み合わせだから、e-POWERも4WDが設定される。
発売されている北米仕様の新型ローグ(日本名:エクストレイル)のボディサイズは全長4646×全幅1839×全高1722mm。
現行エクストレイルは全長4690×全幅1820×全高1730mm。新型エクストレイル(ローグ)は現行に比べ全長が44mm長く、全幅が19mmワイド、全高が8mm低くなっている。
2列シート5人乗りのほか3列シート7人乗りも引き続き用意される。
従来モデルはオフロードでの走破性の良さを強調した、4WD中心の販売構成比であったが、このコンセプトは次期型にも引き継がれる。
■新型ローグ(日本名:エクストレイル)のボディサイズ
●新型ローグ(日本名:エクストレイル):全長4648×全幅1838×全高1720mm
●現行エクストレイル:全長4690×全幅1820×全高1820mm
●新型RAV4:全長4600×全幅1855×全高1685mm
したがって対抗モデルはトヨタのハリアーというよりRAV4を強く意識した仕立てになっているはずである。
プラグインハイブリッド(PHEV)は2.4Lエンジンとの組み合わせで、三菱自動車からユニット供給を受けて、エクストレイルに搭載する。
RAV4PHVとの対抗上、PHEVも設定されるが多少遅れて発売される可能性もある。
悪路脱出などを含めたよりオフロードでの走破性を向上させた新開発の4WDシステムも導入する。
自動運転支援システムの「プロパイロット」の進化バージョンの標準装備グレードも設定する。
ナビシステムは最近の流れに沿い、10インチ以上の大型ナビ装備車もラインナップする見込み。
兄弟車となる三菱自動車のアウトランダーは2021年中盤の登場と次期型エクストレイルより半年程度早くデビューする可能性がある。
ボディパネル&基本コンポーネントを共用し、内外装のデザイン、味付けで違いを持たせる。
e-POWERは搭載せず、PHEVをベースにした独自開発の2Lストロングハイブリッドを搭載する。大幅に改良した2.4LのPHEVも同時に設定するものと思われる。
■証言:首都圏日産店営業担当者
「次期型エクストレイルは当初、年内に発売する方向で開発を進めていましたが、最近になって2021年10月頃の登場だと判明しました。
日産グループの日産、三菱自動車の経営悪化で兄弟車となる次期エクストレイルと次期アウトランダーのパーツ共用化をさらに進め、開発費の抑制とコストダウンが必至になり、調整していると聞いています。
当初、両モデルはプラットフォーム&基本コンポーネントを共用しますが、ボディパネル、味付け、パワーユニットに違いを持たせるといった分け方をする予定でした。
それをボディパネルまで共用化、内外装のデザインを変えて仕立てるように路線変更をすることにしたようです」。
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