【エスティマ、フェアレディZ…】強烈な光を放つ花形車の陰の「地味だけどいいクルマ」7選

■トヨタアルファード/ヴェルファイアの陰に隠れたエスティマ

エスティマ
エスティマ

 現行エスティマは2006年1月に発売されたから、今では約12年を経過する。同じプラットフォームを使っていたヴェルファイア&アルファードは、現行型にフルモデルチェンジされてリヤサスペンションも独立式に変更された。

 それなのにエスティマは、マイナーチェンジで済ませている。ヴェルファイア&アルファードに比べて販売台数が少なく、いつまで人気を保てるのか分からない面もあるから、フルモデルチェンジに踏み切れない。

 また高価格車では売れ行きが堅調だから、廃止もできず中途半端な状態になっている。

 それでもエスティマには独自の魅力がある。まず卵型の外観には独特の個性があり、発売から約12年を経た今でも古さを感じない。

 全幅は1810mmとワイドだが、全高は1745mm(アエラス)だから、ヴェルファイア&アルファードよりも135mmほど低い。

 少し重心が下がって走行安定性が優れ、腰高感も抑えた。大半のグレードにパフォーマンスダンパーを装着したことも安定性に利いている。

 使い勝手では荷室の機能に注目したい。ヴェルファイア&アルファードでは、3列目シートを左右に跳ね上げて畳むが、エスティマは床下に格納させる。

 従って格納した3列目が荷室に張り出さず、スッキリと広い空間になって使いやすい。このようにエスティマは、今でも数多くの見どころを備えている。

■スズキスイフトの陰に隠れるイグニス

イグニス
イグニス

 スズキのコンパクトカーの主力車はスイフトだが、ボディがさらにコンパクトなイグニスも注目される。全長は3700mm、全幅は1660mmで、スイフトよりも140mm短く35mm狭い。

 その一方で外観はSUV風にデザインされ、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)に180mmの余裕を持たせた。スイフトは120mm(4WDでも145mm)だから、イグニスは悪路のデコボコを乗り越えやすい。

 車両重量は売れ筋になるハイブリッドMXの2WDが880kgだから、スイフトハイブリッドMLよりも20kgほど軽い。

 乗り心地は少し硬いが、小さなサイズと相まって運転感覚は機敏だ。JC08モード燃費も28km/Lで、スイフトのマイルドハイブリッドを搭載したMLよりも0.6km/Lほど優れる。

 またイグニスの全高は1595mmに達して立体駐車場を使いにくいが、後席の居住性も相応に快適で、小さなボディでもファミリーカーとして使いやすい。

 このようにイグニスは実用性が高いが、価格が割高だから売れ行きも伸び悩む。LEDヘッドランプなどを備えたハイブリッドMZは、セーフティパッケージを装着すると173万8800円(2WD)だ。

 同等の装備をセットしたスイフトハイブリッドMLセーフティパッケージ装着車の172万1520円よりも若干高く、選びにくくなっている。

 イグニスが15万円程度の値下げを行えば、スイフトやほかのコンパクトカーに対する競争力も強まり、売れ行きを伸ばす余地が生じるだろう。

■PHEVの陰に隠れた三菱アウトランダーのガソリン仕様

 アウトランダーでは先進のハイブリッドシステムを備えたPHEVが人気だが、ノーマルエンジン車にも魅力がある。PHEVが人気を得たのも、ベース車の素性が優れているためだ。

 ノーマルエンジン車で注目されるのは、2.4Lエンジンを搭載する4WDになる。

 実用回転域の駆動力が適度に高く、1500kgを少し超える車両重量との組み合わせでも力不足を感じない。4WDとの相乗効果によって走行安定性も良好だ。乗り心地も快適に仕上げた。

 アウトランダーPHEVは駆動を前後のモーターが受け持つから、加速感が滑らかで瞬発力も高いが、ノーマルエンジンにも回転の上昇に連れて駆動力やエンジンの鼓動が高まる良さがある。

 アウトランダーの2.4Lエンジンは、排気量に少し余裕を持たせたことで、ノーマルエンジンの特徴を満喫しやすい。

 しかも2.4Lの4WDは価格が割安だ。2Lエンジンの2WDに比べると、価格上昇を29万3760円に抑えた。4WDシステムの価格が27万円くらいに達するから、400ccの排気量はわずか2万円程度に換算される。

 装備も充実して、荷室には3列目のシートも備わるから、4WDの24Gセーフティパッケージが296万2440円なら買い得だ。2Lエンジンを積んだエクストレイル20Xと比べても、10万円少々の上乗せに収まる。

 またアウトランダーPHEVと比べると100万円以上も安いから、ノーマルエンジン車は多くのユーザーにとって購入がしやすい。

(※写真は特別仕様車の「ACTIVE GEAR」)

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!