【エスティマ、フェアレディZ…】強烈な光を放つ花形車の陰の「地味だけどいいクルマ」7選

■トヨタプリウスの陰に隠れたオーリスハイブリッド

オーリス
オーリス

 オーリスは欧州市場を視野に入れて開発された3ナンバーサイズのミドルハッチバックだ。現行型の発売は2012年で、海外仕様では同じ年にノーマルエンジンと併せてハイブリッドも用意した。

 ところが日本では2012年に発売されたのは1.5Lと1.8Lのノーマルエンジンだけで、2015年に1.2Lターボ、2016年になってからハイブリッドを加えている。タイミングが明らかに遅すぎた。

 しかも2015年にはプラットフォームを刷新した現行プリウスが発売され、価格は売れ筋のSが247万9091円だ。オーリスハイブリッドは262万473円だからプリウスに比べて約14万円高く、サイド&カーテンエアバッグはオプション設定だからさらに差が開く。設計が古く価格も割高では、プリウスの陰に隠れて当然だ。

 しかしオーリスハイブリッドはプリウスよりも運転がしやすい。全幅は1760mmで等しいが、全長は210mm短く、後方視界もプリウスより優れているからだ。前後席の居住性には大差がなく、オーリスも大人4名の乗車に対応できる。

 走行安定性の味付けも異なる。プリウスの操舵感は、現行型では少し機敏で良く曲がるが、後輪の接地性が相対的に下がる。その点でオーリスハイブリッドは、操舵感は少し鈍めだが後輪の接地性が相応に高い。

 このようにオーリスハイブリッドは、外観のデザインから運転感覚まで、プリウスに比べるとクセがなくて扱いやすい。

■e-POWERの陰に隠れた日産ノートのノーマルエンジン車

ノート
ノート

 ノートでは2016年11月に追加されたe-POWERが注目されているが、それ以前からノーマルエンジン車が好調に売れていた。

 直列3気筒の1.2Lエンジンは、マーチと同じタイプとあって車両重量が1トンを超えるノートには少し力不足だが、エンジンの性格は素直で運転がしやすい。

 e-POWER、あるいはスーパーチャージャー装着車はアクセルペダルを踏み増した時の反応、逆に戻した時の減速感に少し慣れを要するが、ノーマルエンジンであれば違和感はほとんど生じない。

 またノーマルエンジン車とe-POWERの差額は装備の違いを補正して約42万円だ。

 減税額を補正すると39万円くらいに縮まるが、この差額を燃料代の差額で取り戻すには、約17万kmを走る必要がある(レギュラーガソリン価格が1L当たり135円/実用燃費がJC08モードの85%で計算)。

 従ってノートe-POWERを買う時でも、一応はノーマルエンジン車も試乗すると良いだろう。「ノーマルエンジンのX(150万2280円)で十分」と納得するかも知れない。

■トヨタ新型カムリの陰に隠れるプレミオ&アリオン

プレミオ
プレミオ

 2017年には新型カムリが発売され、車内の広い実用セダンとして注目されている。

 しかし今のカムリは北米向けに開発され、全長は4885mm、全幅は1840mmと大柄だ。最小回転半径も17インチタイヤ装着車が5.7m、18インチは5.9mだから小回り性能が悪い。

 その点でプレミオ&アリオンは全長が4595mm、全幅が1695mmの5ナンバー車で、最小回転半径も5.3mに収まる。

 カムリに比べるとサイドウインドーの下端を低く抑えた水平基調のボディは視界も良く、混雑した街中や駐車場での取りまわし性が圧倒的に優れている。

 その一方で車内は意外に広く、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先には握りコブシ2つ少々の余裕がある。

 これはセダンでは余裕のある部類に入り、カムリで同じ測り方をしても握りコブシ3つ弱だから、プレミオ&アリオンは全長とホイールベースが短い割に後席が広い。

 またプレミオ&アリオンは全高が1475mmと少し高く、カムリに比べて30mm余裕がある。そのために床と座面の間隔も適度に確保され、後席に座った時にカムリよりも腰が落ち込みにくい。着座姿勢も自然な印象だ。

 プレミオ&アリオンは発売から10年以上を経過したので、走行安定性、操舵感覚、乗り心地、シートの座り心地に設計の古さが散見されて推奨度が下がってきた。

 しかし視界の優れた5ナンバーサイズのボディと広い室内の組み合わせは、日本のユーザーに大きなメリットをもたらす。基本コンセプトを踏襲しながら、プラットフォームを含めてフルモデルチェンジして欲しい。

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