クルマは本来定期的なサイクルでもってモデルチェンジを繰り返していく。プラットフォームそのものを刷新するような大規模な変更をフルモデルチェンジ、小規模な設計変更や改良をマイナーモデルチェンジと呼ぶのが一般的だ。
だが最近はマイナーチェンジと言いながら「ほんとにそう呼んでいいのか?」と思うくらい大胆に変更がなされるクルマも多い(真面目な話、マイナーチェンジ後に買おうと思って楽しみにしてたらあまりの変わりようにガッカリ…ってケース、決して少なくないと思うのだが…)。
そこで、最近マイナーチェンジを果たした現行型の国産車たちの「前」と「後」とを集めてみた。そこで行われたフェイスリフトは果たして「成功」か、「失敗」か? 自動車評論家 清水草一氏が検証する!
※なお、文中でも清水氏が述べている通り、あくまで個人の意見、独断と偏見に基づく評価なので、ダメと判断されちゃったモデルをこよなく愛しておられる方、そして乗っておられる方は、どうか温かい目で見守っていただきたい。
【画像ギャラリー】賛否両論!? 慣れればアリ!!? 嵐を呼ぶビッグネームたちのマイナーチェンジ、その前と後をギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年9月のものです
判定人&文/清水草一、写真/ベストカー編集部ほか
初出:『ベストカー』 2020年10月10日号
■三菱 デリカD:5(2019年2月マイナーチェンジ)
これはもう、マイチェンで大バクチを打って大勝利と言っていいネ! マイチェン直後こそ「絶世のブス」「電気シェーバー」とかさんざん言われたけど、今じゃすっかり目が慣れて、もっとエグくしてくれ~! くらいの気分になっている。クセになる激辛味の勝利と言えるでしょう。
●清水の判定:マイナーチェンジ後の勝ち!
■トヨタ ハイラックス(2020年8月マイナーチェンジ)
3年前に国内販売が復活したハイラックスだが、デザインはやや寝ぼけていてパンチ不足だった。それが8月のマイチェンでは、トヨタのピックアップらしいごっついグリル枠がつき、押し出し感もハイラックスらしさも断然アップ! やっぱりピックアップの顔はゴツくなきゃ!
●清水の判定:マイナーチェンジ後の勝ち!
■日産 スカイライン(2019年7月マイナーチェンジ)
スカイラインのデザインはアメリカの田舎向けっぽく、日本人にはどうにもパネルの曲面がくどい。顔もグリルの表情などがとてもくどかったが、マイチェンで大きめにブラックアウトされ、シャープなVモーションもはまったことで、以前よりグッと精悍に見えるようになった。
●清水の判定:マイナーチェンジ後の勝ち!
■ホンダ フリード(2019年10月マイナーチェンジ)
ホンダのデザインは「e」でシンプル路線に舵を切ったのかと思いつつ、その前に登場したフリードはマイチェンで微妙にゴテゴテした顔になった。マイチェン前は比較的オーソドックスでシンプルだったのが、微妙に口(グリル)が強調されて動物っぽくなり、どこか物欲しげな顔つきに。
●清水の判定:マイナーチェンジ前の勝ち!
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