■ホンダオデッセイ
ビッグマイチェン:2020年11月5日
総評/トドメを刺された
デザインチェンジ成功度/30点
かつて超絶大ヒットと飛ばしたオデッセイも、背低ミニバンの販売低迷という時代の流れに逆らえず、2013年登場の現行モデルは全高を一気に150ミリほどアップし、背高と背低の中間的な存在に変身させたが、その中途半端さもあって、販売はまったく低迷していた。
今回のビッグマイチェンの狙いは、ずばり「オラオラ度のアップ」である。マイチェン前は、これまでのオデッセイの伝統をかろうじて感じさせる、曖昧にスポーティな顔つきだったが、それを完全に捨て、「なにがなんだかよくわからないけど、オラオラしたいんだね」みたいなものになった。
なにがなんだかよくわからないのは、狙いが絞れていないからだ。オラオラっぽくしたいけど、あんまりやるのは気恥ずかしい。でもオラオラしないと売れないし……というような。
ステップワゴンもそんな感じのマイチェンをしたけれど、いかにも個性がなく中途半端で、デザインレベルそのものも低かった。
オデッセイはさらにダメ! もうまったく理解不能! 上から下まで横桟グリルを重ね、最上部はメッキを太くしているが、フォルム全体にまったくマッチしてないし、何の哲学もないチープなリフォームとしか言いようがない。
もともとダメだったのを、トドメを刺した感じです。国内におけるオデッセイの命脈は尽きたかもしれない……。涙が出ます。中国で頑張ってください。
■レクサスIS
ビッグマイチェン:2020年11月5日
総評/デザインの本質を磨き上げている!
デザインチェンジ成功度/100点
現行ISもすでに7年だが、フルモデルチェンジは見送られ、ビッグマイチェンを受けた。
ただ、今回のビッグマイチェンは、ほとんどフルチェンジに近いもので、中身はもちろんのこと、デザインも大きな変更を受けている。なにしろフロントウィンドウ以外はすべて新しいんだから!
で、その出来はというと、マイチェンの枠をはるかに超えて、本質を磨き上げている!
マイチェン前のISは、ライト類などのグラフィックの小手先に走りすぎている面があった。個性を出そうとするあまり、ヘッドライト周りは複雑すぎ、テールランプはツンツンと尖りすぎていた。
いっぽう新型は、ヘッドライトはグラフィックをシンプルにまとめ、スピンドルグリルもメッキを抑えてシンプルなデカ口に。ぐっと本物感が出ている。
テール側は、ランプを左右つなげて印象の強さを保ちつつ、サイドに回り込んだ部分は尖りを抑えて上品に変更。同時にトランクリッドの下を美しく流れるように絞り込み、小手先ではない力感を出すことに成功している。
サイドで効いているのは、サイドウィンドウ後端の切り欠き形状変更だ。角度を大きくすることで、よりスポーティで力強い印象になった。オーバーフェンダーの拡大(30mm)も力感アップに大いに寄与している。
つまり、従来のオーソドックなセダンフォルムの上質感はそのままに、抑えるところは抑えて、よりシンプルにカッコよく仕上げているのです。ビッグマイチェンによるデザイン変更としては、史上最高に近い成功例ではないだろうか! ホントにカッコよくなった。
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