【レクサス、シーマ…】売れてない車の事情と言い分とは? 2017年度版

■9位 日産シーマ 272台

 かつては“シーマ現象”と呼ばれる大ヒットを飛ばした日産のフラッグシップも今やマイナーな存在に。その追い打ちをかけたのは、現行型がベースとなるフーガとの視覚的な違いが歴代で最も少ないことだろう。

 しかし、実はこの2台、よく見ると結構違うのだ。

 3m越えのホイールベースの専用ロングボディ、横格子の大型グリルとメッキモールによるフロントマスク、リヤエンターテイメントシステムなどはすべてシーマだけのもの。

 パワートレインがハイブリッドだけというのも現代の高級車らしいところだ。しかも塗装など製造工程もフラッグシップに相応しい最高級品質で作られている。

 三菱のOEM(「ディグニティ」)も2016年11月に終了したことで、唯一の存在にも返り咲いた。その価値はもっと評価されても良いかも。

■8位 レクサスIS350 254台

 レクサスの定番のひとつのスポーティセダンISの「350」がランクイン。

 ISの価値はコンパクトなボディのFRセダンであることだ。そのため、FRらしい軽快な走りを求めるユーザーには、同じガソリン車でも2LのダウンサイズターボであるIS300の方が魅力的に映るのではないかと分析する。

 しかも、IS350の予算があれば、わずかな負担で1クラス上のGSのエントリーとなるGS300にも手が届くのも悩みどころだ。

 ただコンパクトセダン+V6エンジンという選択で得られる、滑らかな走りとトルクに物を言わせた加速も悪くない。それだけにIS350は、通好みの選択となっているのだろう。

 なお前述の「GS」と同じくこちらも細かく排気量ごとに販売台数の届け出が分けられており、「IS」全体を合計すると暦年販売台数は6277台となる。

■7位 三菱i-MiEV 191台

 「まだ売っていたんだ」と思ったあなたは、要注目。それどころか2016年12月にはパドルシフトで操作可能な6段階の回生ブレーキ機能を搭載するなど、昨今のEVニーズをしっかりくみ取ったアップデートも行われている現役バリバリなのだ。

 ライバルとなる日産リーフは確かに凄い。しかし200万円台の価格、軽サイズとRRによる取り回しのよさ、愛嬌あるスタイルなど、生活EVとしての魅力は十分にあると思うのだが……。

 またEVバンのミニキャブ・ミーブ バンも販売中。こちらもお忘れなく(商用車登録のためこちらにはランクインせず)。

■6位 レクサスRC350 135台

 「またレクサスか」と思ったあなた、そのとおりですすみません。

 グレードごとの届け出ではなく車種ひとまとめに集計しろよと本企画担当も思ったのですが、こうした届け出方法を行っているのはレクサスだけであり、そういう届け出方法も含めてレクサスの販売戦略なのだろうな(量販車種だと思われたくない)、と考えると、ならそのとおり「売れてない車」として扱うべきかなとも思うのでご辛抱ください。

 さて。国産唯一のラグジュアリークーペの3.5LのV6エンジンを搭載したトップグレード「RC350」が6位にランクイン。

 一般的にラグジュアリークーペのユーザーの年齢層が高めで、そのスタイルに惹かれて購入する人が多い。

 またエンジン以外については、同様の仕様が選べるため、あえて3.5Lを選ぶ理由が少ないことも考えられる。

 ただ高級車に、大排気量エンジンのトルクフルな走りを求めるユーザーが一定数存在するのも確か。違いの分かる大人向けの仕様ともいえ、数が出ないのもやむなしなのである。

 「RC」全体を合計すると暦年販売台数は1061台。

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