雪国で愛され続けて40年。ホンダの除雪機シリーズが、2020年に40周年を迎えた。
発動機やボート用、そしてジェト機はよく知られているかもしれないが、除雪機のラインナップが実に30種類以上を誇り、そのシェアはナンバーワンだということはあまり知られていないかもしれない。
雪国の声に応え積み重ねたホンダ除雪機の40年を、フォトグラファー・西尾タクト氏が紹介する。
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※本稿は2020年12月のものです
文/西尾タクト、写真/HONDA、ベストカー編集部、撮影/西尾タクト
初出:『ベストカー』 2021年1月26日号
■雪を制するものが陸の一部を制する
ホンダがシェアナンバーワンを握る意外な“マシン”に、除雪機があることは案外知られていない。だが、過酷な雪国で暮らしている人々には「常識」だったりする。
このほど、2020年に40周年を迎えたホンダの除雪機シリーズ。
1980年の初代「スノーラHS35」に始まり、グレードや用途別など30種を超えるラインナップを取り揃えている。
ホンダの理想のひとつであり、かの本田宗一郎が掲げていた夢だった「陸・海・空にパーソナルモビリティを送る」。
ホンダは自動2輪&4輪をはじめ、以前もベストカーで紹介したボート用エンジン、そしてご存じホンダジェットで実現させた。
なかでも日本の国土の3分の1以上を占めている『豪雪地帯対策特別措置法』に基づく地域から見れば、「雪上を制する」こともホンダが掲げる理想のひとつとして必要条件だと言えるのだろう。
■雪国からの声で生まれたホンダの除雪機シリーズ
発動機を得意とするホンダならではだが、家庭用の除雪機にもさまざまな排気量の商品が存在している。
例えば、小型除雪機に分類される「HSS655c」は163ccと高齢者でも扱いやすいサイズ。
いっぽう、現行最大クラスのものは「HSL2411」で排気量は実に688cc。軽自動車1台を手元のコンソールで操りながら、雪中行軍するモンスターマシンなのだ。
排気量以外にも「やわらかい新雪」「重みで締まった雪」「溶けかけの雪」など、マシンごとの性格も少しずつ異なり、地域によって雪質がまったく異なる日本ならではで、痒いところに手が届く除雪機であることからもホンダらしさが窺える。
さらに、電動化が叫ばれる昨今らしく、エンジン駆動のほか、完全な充電式モーター駆動のもの(ユキオス SB800e)や、ハイブリッドタイプのもの(HSM1590iなど)も揃っている。
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