■個性派の金字塔車
プリウスに続くハイブリッド車として1999年に登場したホンダインサイトは、エコ性能だけでなく操る楽しさにまで踏み込んだ個性派のスポーツクーペだ。
なんと2人乗りと割り切り、空力と軽量化を徹底追求したボディはアルミ製である。シートポジションもスポーツカーのように低い。
心臓はホンダIMAと呼ばれるハイブリッドシステムで、1Lの直列3気筒リーンバーンVTECエンジンにアシスト用の電動モーターを組み合わせている。
CVTだけじゃなく5速MTを設定していたのもユニークだ。デザインのインパクトは強烈で、20年後の今見ても釘付けになる。
(選定:片岡英明)
■世界に影響を与えた金字塔車
1997年にデビューした初代プリウスは世界中の自動車関係者を唸らせた。
発売当初こそ「電池寿命が短い」とかエンジンとモーターの両方を使うなんて非効率だ、などと批判する人たちも多かったけれど、やがて「凄い発明」という評価に変わっていく。
日欧米ほぼすべてのメーカーが開発に着手するも、あまりの難しさと当時最先端だったニッケル水素電池を作れないため断念!
いまだにトヨタと同等の効率を持つハイブリッド車が実現できていないのだから凄いことだと思う。
ハイブリッドの可能性は世界中の自動車メーカーが認識することになりました。
(選定:国沢光宏)
【番外コラム】1990年代はこんな時代だった
1980年代後半から起こったバブル景気が1991年頃に破綻。このバブル崩壊によって日本では「失われた10年」と評されることが多い1990年代。
バブルの余韻が残る前半、スポーツでは1993年にサッカーのJリーグが発足し、NBAの人気などでバスケットボールブームが到来。音楽では小室哲哉がプロデュースする歌手たちが一世を風靡した。
自動車業界は、バブル景気とその崩壊の影響を受けた時期で、1990年代初頭は、ホンダNSXをはじめ高性能車が続々と登場するものの、中盤からクルマ作りの方向性が経済性重視へと変更。1996年に低燃費をウリにしたGDIエンジンのギャラン、1997年には量産初ハイブリッド車のプリウスが誕生した。
また、当時“RV”と呼ばれたミニバンやSUVが人気を集め、新型車も続々と登場した。
【画像ギャラリー】NSX ワゴンR プリウス…嗜好から環境・実用への転換点か? 1990年代の傑作車たちをギャラリーでチェック!!!
コメント
コメントの使い方