全国にいる「洗車マニア」の方たちは、今日もどこかで愛車を洗っていることだろう。クルマをピカピカにすると、外から眺めるのはもちろん、運転をしていても、もっというとクルマが見えないところにいても、気持ちがいい。ボディ表面がつるつるになるので燃費もよくなる(と信じたい。本当のところは後述する)。
一方で、「洗車なんてしない」というかたもおられる。「外に止めてるクルマをキレイにしたところですぐに汚くなるのでは」といわれれば、それはそうだ。水が冷たい冬はさらに洗車を敬遠してしまう時期であるが、実は冬だからこそ洗車が必要な理由がある。
また、クルマ好き、洗車好きから言わせれば、洗車とは、単純にクルマを洗う、ということだけでないということも知っておいていただきたい。
そこで本稿では、「洗車をすること」の効能について、考えていこうと思う。
文:吉川賢一
写真:写真AC、Adobe Stock(トビラ写真:Adobe Stock@Tom Wang)
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洗車は「メンテンナンス」の一環
クルマは基本的には野ざらしだ。屋根のない青空駐車場のかたはもちろん、屋根付きガレージや屋内へ駐車されている方であっても、雨や雪といった天候時に運転すれば、クルマのいたるところに雨水や泥汚れが付いたり、高速走行をすれば、ガラスに虫の死骸や飛び石など、あらゆるものがボディに付着してくる。
これからの季節は特に、黄砂や花粉、そしてPM2.5のような空気中の微粒子もクルマに付着する。
これらが付着したまま、全く洗車をしないと、ボディのダメージは早い速度で進む。塗装面のシミやクレーターといったダメージの原因になってしまうのだ。
洗車の3大効能
主に「洗車をする」ことの意義は以下の3つだと考えられる。
●クルマのダメージを最小限に抑えられる
潮風をうける場所を走ったあとや雪道を走ったあとなどは特にだが、洗車することで、サビを防止することができる。
「サビ」とは、ご存じの通り、鉄が水分と酸素の影響によって腐食することであるが、融雪剤の成分「塩化カルシウム」は、水分が蒸発するのを防ぐ効果があるため、融雪剤がついたままにしておくと、ボディの鉄板に、水分を与え続ける状態になり、サビを引き起こすことにつながる。
また、鳥のフンには、強い酸性の胃液が含まれるため、塗装面へのダメージが残りやすい。
洗車することでこれらの付着物を取り除くことができ、クルマへのダメージを最小限に抑えられるのだ。さらには、定期的にメンテナンスをすることで、汚れが固着しにくいボディ状態を保つこともできる。
●運転時の安全性を高めることができる
フロントガラスに油膜がついてしまっていたり、虫の死骸、べたつく黄砂、鳥のフンなどがついたままになっていると、クリアな視界を確保できなくなる。しっかり手入れをすることで、いつのまにか入ってしまっていた、フロントガラスのヒビの早期発見にも、繋がるかも知れない。
ヒビが入ったまま運転していると、ちょっとした衝撃で、ヒビが雲の巣のように広がってしまう可能性もあり、たいへん危険だ。
●気分的に幸せになる
これはクルマ好き、洗車好きにしか伝わらないであろうが、洗車をしてワックスやコーティングまで掛けて、ピカピカな状態の愛車を眺めるとき、なんともいえない幸せな気分になる。
しかし、逆にちょっとでも汚れてしまうと、洗車しなければならない、という考えにとらわれ、イライラすることにもつながる。こんなときは、クルマを道具として割り切れればどんなに楽か、と思うこともあるが、洗ったときの多幸感で、そんなことは忘れてしまう。
また、他人を乗せるときにも、マナーとして、キレイにしておきたいという心情もある。奥さんや子供、友人知人をクルマへ乗せるときにも、きれいな状態にしておくのは、自身の身だしなみを整えてから出かけるのと同じだ。
また、洗車を全くしなくなったクルマには愛着もなくなってしまっていることだろう。せっかくクルマを所有するならば、愛情は持っておきたい、と考える。
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