バックドアとは別に、バックドアのガラスのみが独立して開く「ガラスハッチ」。ひと昔前は、クロカンからステーションワゴン、クーペまで、このガラスハッチを装備していたクルマは多くあったが、現行モデルでの採用は少なくなっている。
ガラスハッチは、バックドアを開かずとも荷物の出し入れが可能なため、大きなバックドアを開くことのできない狭い場所で便利だ。また、キャンプへ行くときなどたくさんの荷物を積み込むと、バックドアを開けた際、荷崩れしてしまうことがあるが、ガラスハッチだけをあけることで、荷崩れを防ぐことができる、という利点もあり、アウトドアがブームとなっていた90年代に積極的に採用されていた装備だ。
アウトドアブームが再燃しているいま、このガラスハッチも再び見直されていい装備ではないだろうか!?
そこで今回は、ガラスハッチを備える、レアな現行車をご紹介するとともに、懐かしのガラスハッチ装備車もご紹介。使い慣れると、想像以上に使い勝手はいい装備だ。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、NISSAN、Citroen、BMW、SUZUKI、ベストカー編集部
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ガラスハッチを備える、レアな現行車
●トヨタランドクルーザープラド(J15型)2009年~
現行型ランドクルーザープラドは、2009年にデビューした4代目だ。2017年のマイナーチェンジによってエクステリアデザインを刷新している。ガラスハッチは、スマートキーのワイヤレス操作や、ガラス脇に付いているスイッチ操作で可能となっている。
●日産セレナ(C27)2016年~
現行型セレナは2016年にデビューした5代目。セレナに採用されているデュアルバックドアは、バックドアの上半分を、バックドアの日産エンブレムにあるスイッチを押すことで開けることができる。大きなバックドアのセレナだが、上半分だけを開くことで、バックドア全体を開け閉めするよりも軽い力でできる。
●BMW3シリーズツーリング(G21) 2019年~/BMW5シリーズツーリング(G31 )2017年~
BMWの主力モデルである3シリーズツーリングと、その上位モデルの5シリーズツーリングには、独立開閉式リヤウインドウが装備されている。ラグジュアリークラスでは珍しい装備だ。
BMWの独立開閉式リヤウインドウは、トノカバーが連動で開くため、ガラスハッチを使いつつ、しっかりプライバシーを守ることもできる。さすがBMWといった装備だ
●シトロエンベルランゴ 2020年~
シトロエンらしい個性とユニークさにあふれたデザインが魅力のベルランゴも、ガラスハッチを採用している。日本登場は2020年。
ルノー・カングーをライバルとしており、商用車ベースとあって、プラスチックが剥き出しのダッシュボードなどは気になるところだが、広いガラスサンルーフがついた車内は、本当に明るい。
懐かしのガラスハッチ装備車
●日産パオ(PK10)1989年~1991年
1989年1月に期間限定車として発売され、1989年12月に生産終了、1991年2月に販売終了したパオ。納期は最長で1年半に達するほど、人気のあったクルマだ。状態の良い個体は、いまでも高値で取引されている。このクルマもガラスハッチを採用していた。
●日産テラノ(WD21)1986年~1995年
初代テラノは1986年にデビュー、ダットサンピックアップトラック(D21型)をベースに開発されたクルマだ。オフロード向けのサファリに対して、オンロードでの快適性を狙ったテラノは、フロントにダブルウィッシュボーンを採用するなど、乗り心地が重要視されていた。
●日産キューブ(Z10)1998年~2002年
初代キューブは2代目マーチをベースにしたハイトワゴンだ。ユニークなスタイリングで、一躍人気モデルとなった。この初代モデルにはガラスハッチがあったが、2代目モデルからは廃止された。
●日産リバティ(M12)1998年~2001年
「パパ・ママリバティ」のCMキャッチフレーズが有名なリバティも、ガラスハッチだった。デビュー時はプレーリーリバティであったが、2001年にはリバティと改名。2002年登場の後継車ラフェスタへとバトンチェンジをした。
●日産アベニールサリュー(W10)1993年~1998年
ヒット商品となったスバル・レガシィを強く意識した、日産の5ナンバーサイズのステーションワゴンである、アベニールサリュー。4WDに2リッター直4ターボのSR20DET搭載モデルには、新開発リヤマルチリンクサスペンションを採用するなど、走りも磨かれていた一台だった。
長いリアオーバーハングとしたことで、荷室容量は広大。ガラスハッチも大いに役立ったことだろう。
●日産プレサージュ(U31)2003年~2009年
ホンダオデッセイの対抗車として開発された、日産のラージミニバン「プレサージュ」。ガラスハッチが採用されていたのは、2003年に登場した2代目だ。
プレサージュのガラスハッチは、ガラスハッチを開けた状態でリアハッチを開けると、ガラスハッチの位置はそのままに、リアハッチが合体してロックされる仕組みとなっていた。高さのないところで役立った。
●日産ステージア(M35)2001年~2007年
2001年に登場した2代目ステージアにも、ガラスハッチが採用されていた。ステージアは、北米市場を視野に開発されたV35型スカイラインと同じ、FMプラットフォームが採用されたステーションワゴン。スカイラインとは異なり、ステージアは国内専売だった。
搭載エンジンはすべて直6(RB型)で、2.0リッターNA、2.5リッターNA、そして2.5リッターターボの3種類。ゆったりとしたスペースの3ナンバーサイズのボディで、インテリアも当時の高級車ばりの豪華さであった。
●トヨタセラ(EXY10)1990年~1996年
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