7位 スバルXV/72点
XVのデザインは、なんとも言えない「イイ感じ」に包まれていた。シンプルでやや古典的なインプレッサをベースに、車高を持ち上げて今どきっぽくSUVに仕立てたという肩の力が抜けた風味が、とても心地よかったのだ。
しかし、マイナーチェンジで「牙」を生やすなどの化粧を施した結果、そのいい感じはかなり失われてしまった。
デザインで重要なのは、まず全体のフォルムではあるが、化粧ひとつでイメージがまるで変ってしまうのも事実だ。
8位 トヨタヤリスクロス/71点
ヤリスのデザインイメージをSUVに移植している。顔付きは適度に個性的だが、ヤリスほどの毒気はなく万人受け。
オーバーフェンダーなどのSUV的付加物も力強い。室内も広くなっているから、月間約1万台売れているは納得だが、デザイン的には、どこか「とってつけた感」があって、魂に訴えては来ない。決して小手先ではないんだけど、少しだけ小手先っぽく見えてしまうとでも申しましょうか……。
9位 トヨタライズ/70点
ヤリスクロスに比べると、小手先ではなく不器用なままなの愚直なデザインに、なぜか好感を覚えてしまう。
角張ったデザインは、「小さいからこそでっかく見せたいぞ!」という意図が見え見えで、そこがまた愚直で泣かせる。得点はあまり高くないが、つい応援したくなるデザインだ。心情で採点しちゃってスイマセン。
10位 スズキクロスビー/69点
完成度はまったく高くないが、フグのようにプックリと膨らんだデザインは、都会派とは真逆のお笑い系で、クロスオーバーSUVのデザインとして異色。こういうのがないと自動車デザインは面白くない!
ベスト10に入らなかった次点のクルマ2台
以上、ベスト10を挙げた。現在、国産クロスオーバーSUVは20モデルほどなので、ここまでが「真ん中より上」ということになる。では、真ん中より下の注目モデルについて、少しだけ触れておこう。
■次点:日産キックス/63点
シンプルというより単純な造形に化粧を施したデザインは、競争の激しいクロスオーバーSUV界にあって、かなり取り残されている。
■次点:トヨタRAV4/55点
個性のないフォルムにいかつめな顔を付けただけのデザインで、発売当初バカ売れしたのが信じられない。
今も全世界でバカ売れしているのが信じられない。ただ、SUVデザインが世界的に洗練され、スタイリッシュ志向に流れる中、その流れに逆らっていることは確かで、それがRAV4の存在感を高めている。
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