なぜ消えた!? かつて若者の憧れだった日本のお家芸「走りのセダン」 5選

■日産 グロリア グランツーリスモアルティマ

日産・グロリアグランツーリスモアルティマ
日産・グロリアグランツーリスモアルティマ

 プレステージセダンの代名詞だったグロリアと兄弟車のセドリックが大きく変わるのは1987年だ。それまでの主役は豪華なブロアムで、ユーザーも保守層が中心だった。だが、Y31型はブロアムに加え、走りの楽しさを前面に押し出した「グランツーリスモ」を設定し、アクティブ層をも取り込むことに成功する。ちなみに、このY31型をベースに開発され、大ヒットしたのがシーマだ。91年に登場したY32型グロリアからは、一段と装備を充実させたグランツーリスモ・アルティマも登場する。

 そして真打ちといえるのが1995年6月にデビューするY33型グランツーリスモ・アルティマだ。エクステリアはキープコンセプトだが、エンジンはVG系から新世代のVQ30DET型3L、V型6気筒DOHCターボに進化した。低回転域のトルクはそれなりと割り切っている。が、ターボゾーンに突入すると270ps/37.5kgmのパワーとトルクが炸裂し、豪快な加速を見せつけた。

 サスペンションもドライバーズカーらしい、ビッグトルクに負けない、地に足がついたものだった。突出したパワーが魅力の「一芸車」というわけでなく、こうした細かい足回りへのこだわりを見せるところなどが、現代まで続く根強い人気の秘訣といえよう。

■トヨタ アリスト V300

トヨタ・アリストV300
トヨタ・アリストV300

 トヨタにとってシーマは、衝撃のプレステージ・スポーツセダンだった。そこで打倒シーマを目指し、送り出したのがアリストだ。1991年に登場した初代アリストは、マジェスタのメカニズムを用いているが、性格は直球勝負のスポーツ路線である。3Lの直列6気筒DOHCとDOHCツインターボは驚くほどパワフルだった。ジウジアーロがデザインした個性的な4ドアボディは今も魅力的だ。

 その2代目は1997年夏に登場する。(初代とは異なり)2代目はマジェスタの派生モデルではなく、フロアから新設計だった。動力性能だけでなくエンジンの搭載位置にまでこだわり、前後重量配分の最適化を図った「本気」のスポーツサルーンだった。

 V300が積むのは3Lの2JZ-GTE型直列6気筒DOHCツインターボだ。最高出力は280psにとどまるが、最大トルクは46.0kgmもある。だからアクセルを踏み込むと強烈なGを感じる加速だ。が、あくまでもジェントルで、荒々しく感じない。

 4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションは上質な乗り心地を確保しながら正確なハンドリングを実現している。鼻先を切り詰めているため、まさにオン・ザ・レールの走りなのだ。

■ホンダ アコード ユーロR

ホンダ・アコードユーロR
ホンダ・アコードユーロR

 多くの「走りのセダン」がターボを使ってハイパワー化したのに対し、ホンダは別のアプローチでラインアップの強化をはかった。

 1997年に発売した6代目アコードに(このモデル自体、全車VTECエンジンを採用したスポーティな仕様だったが)2000年6月、4代目プレリュードのタイプSに搭載されていたスポーツエンジン「H22A型」を搭載したアコードユーロRを追加(欧州では先行して「アコードタイプR」として発売されていた)。

 当時NSXやインテグラ、シビックに用意されていた「タイプR」よりはマイルドな設定であったが、各種エアロパーツのほかレカロ製バケットシート、MOMO製ステアリングが用意され、エンジンはNA、2.2Lで220ps/22.5kgmを絞り出す。これを5MTで走らせると(このクラスの4ドアセダンと比べると)非常に面白い走りをもたらした。

 他のスポーツセダンとは一線を画した、ホンダらしい仕上がりを持つスポーツセダンであった(なお姉妹車であるトルネオにも「ユーロR」は設定された)。

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