ガソリン逆噴射!!? シートが破れた!?? いま蘇る 中高年カーマニアたちの故障自慢 7選

ガソリン逆噴射!!? シートが破れる!?? いま蘇る 中高年カーマニアたちの故障自慢 7選

 人はみな、クルマの故障を忌み嫌う。故障するなんてありえない! と怒り、怒鳴り、落胆し、SNSに投稿する。故障するクルマはみんなに嫌われ、売れなくなる。

 おかげで最近は、故障するクルマがめっきり減ってしまった。

 かつて、イタリア車やフランス車は故障して当たり前だったのに、最近は国産車並みに壊れない。もちろん国産車は、昔から滅多に壊れない。

 今一番故障が多いのはドイツ車と、ドイツ系イギリス車だろうか? しかしそれも、近い将来、電動化の進展とともに、なくなっていくだろう。

 つまり、間もなく、この世から故障というものが消えてしまう! 淋しい!

 そこで今回は、中高年カーマニアたちの故障自慢を集めてみました。それも、なるべく珍しくて強烈なヤツを。

 故障は決して悪じゃない。クルマ好きにとって、それは大切なスパイスだ。みんなもっと故障を大事にしよう! 故障バンザーイ!

※本稿は2021年5月のものです
文/清水草一 写真/AdobeStock、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年6月26日号

【画像ギャラリー】故障を語る表情はなぜか嬉しそう… 達人たちの「故障自慢」をギャラリーでクイックチェック!!!


■給油口からガソリン逆噴射で猛スピン! 命がいくつあっても足りん!(フェラーリ348tb)

 昔、ベストカー本誌『フェラーリ曼陀羅』でもさんざんレポートしましたが、私にとっての最初のフェラーリ、1990年式348tbは、本当に手強いヤツでした。

 最大の難敵は、真っすぐ走らないこと。原因はフロントサスペンションの取り付け剛性不足および、リアサブフレームの剛性不足にあった。

 路面に凹凸があると、四輪がアサッテの方向を向いてしまう! まぁ、そんな原因は、ずーっと後になってようやくわかったんだけど。そのほか、たまにV8の片バンクが止まって直4になりました。

 でも、一番自慢できる故障はアレだ、ガソリン逆噴射事件だ。

1989年に発表され1994年まで生産。フェラーリ初のモノコックボディを持つV8ミドシップモデル。いろいろな面で意欲作だったが、熟成不足のため最初期型は欠陥のオンパレードで、なかでも直進安定性の低さは「臨死体験レベル」と言われた

 フェラーリは、ガソリンが給油口から逆噴射することがあるとは聞いていた。知り合いのテスタロッサが、給油しようとスタンドでキャップを開けたら、ブシャーッて、ガソリンが噴出したとか。でもまさか走行中に噴出するとは思わなかった。それもサーキット走行中に……。

 購入から4年目あたり。私はツクバで1分10秒切りを目指しておりました。その日も頭ブチ切れるくらい緊張しつつ、コースインしました。

 1周ウォームアップして、ちょっとだけペースを上げた直後の第2ヘアピン立ち上がり。アクセルを踏んだ瞬間にギュワーンと大スピン! 「ええーっ、こんな速度でぇ!?」とパニクりながらも、タイヤ冷えてたのかなぁと思い、気を取り直して走行再開。

 でも、右コーナーでヤケにお尻がムズムズする。これはおかしい、ペースを上げずにもうちょっと様子を見ようと1コーナーを立ち上がったところで再度猛スピン! アクセルに触れただけでクルッと回ったぁ!

 なななな、なんなんだ。オイルでも落ちてたのか? なんだかわかんないけどスピンしちゃう~~~~!

 それでもタイムアタックをあきらめられず、しつこく走り続けたのですが、最終コーナー立ち上がり、あまりにも限界が低すぎることに「これはやっぱりクルマがヘン!」と悟り、サーキット前の知り合いのガレージに駆け込んだところ、「ガソリン漏れてんじゃねぇの?」。

清水草一のフェラーリ初号機、1990年式348tb。1993年に1163万2800円で購入。人生を捨てる覚悟だったが、さまざまな試練を経験し、人生を豊かにしてくれた

 348のガソリン給油口は、左後輪のすぐ前上にある。そこからガソリンが漏れると、漏れなく左後輪がそれを踏む構造になっていたのです。

 それまでガソリンが逆噴射したことなど一度もなく、その後もなかったのに……。

 エンジンが過熱していたわけでもなく、コースインしてすぐに、なぜかあの時だけ発生した逆噴射。まあ、あんなことが頻発したら、命がいくつあっても足りねえけど!

(証人/清水草一さん)

●故障驚愕度:100点…故障のなかでも最も恐ろしいのがガソリン漏れ。それも給油口から逆噴射するとは怖すぎる! キャップの周りにゾーキン巻いて対策しました!

■オーバーヒートにマフラー落下、我が青春の故障のデパート!(R30スカイラインRSターボ)

 大学3年生の時、バイト漬けで初の愛車として購入したのが、憧れのスカイラインRSターボ(パワステなしのRS)。3年落ちの中古だけど190万円ですよ! そりゃ舞い上がるって。

 若気の至りで、VVCでブーストアップ、夜な夜な筑波山や大垂水峠を攻めました。そのうちエンジンブロー。運転が荒っぽかったこともあって、トラブル続発の8年間になりました。

ウメキが1987年から1995年まで愛車としていたRSターボのエンジンルーム。FJ20ETは赤の結晶塗装だったんだけど、これがベリペリ剥がれてなんつーか、小汚くなっちゃうのが残念でした

 深夜、編集部からの帰宅時に甲州街道を走っていたら、初台のアンダーパス内でエンジンから豪快な「壊れました!!」音が。

 カムチェーンテンショナーが吹っ飛んで、カムチェーンが大暴れしてバルブクラッシュ、エンジンがジ・エンド。アンダーパスの最深部でJAFを待つ惨めさといったら……。

 スカイラインRSターボは、エンジンルームで一番熱がこもる場所にデスビがあって、経年とともに熱で劣化する。これは持病のようなもので、オイラのせいじゃない。

 街を走っていると突然吹けが怪しくなり、エンジンが突然死する。ボンネットを開けて30分ほど冷ますと、何事もなかったように再始動するんだけど、しばらくするとまた熱くなって止まってしまう。しばらくの間、原因がわからず、走っては止まりの日々だったなぁ。

 エアコンも利いたためしがなかった。自分のスカイラインRSターボは、常にオーバーヒート気味だったのだ。真夏に渋滞にハマろうものなら、水温計の針はグングン上がり、エンジンルームから甘~い香りが漂ってくる。

 慌ててヒーター全開! その当時でも古典的な対処法が泣けるでしょ? それで多少水温は下がるけど、そのうち「ゴボゴボ」という沸騰音が聞こえてきて、リザーバータンクからLLCがあふれ出したねぇ。

 ガス欠で国道6号線のど真ん中で止まったことある。これはクルマのトラブルではなく、完全にオイラの不注意ですが……。

エンジンや足回りには手を入れまくっていたけど、外観はハセミのホイール以外はノーマルを保つのが我が流儀でありました

 そうそう、思い出した!! マフラーのタイコ付け根が錆びて腐ってたんだろうね。なんか排気音がヤバそうだな~って予感はしていたんだけど、自宅近所の国道に出て、グイとアクセル踏んだ瞬間、それまで聞いたことのない豪快な排気音とともに、「ドッシャーン!」という金属が落下する音が。

 慌てて路肩にクルマ止めて、路上に転がったマフラーのタイコを拾いに行く恥ずかしさときたら!! でっかい落とし物をしたもんだ。

 走行3万kmで購入して、結局15万kmまで走りまくって、ありとあらゆる故障を経験させてもらいました。RSターボこそ、自分の先生みたいなもんだったかも。

(証人/編集部ウメキさん)

●故障驚愕度:80点…ひとつひとつの故障は定番ながら、国産車がこんなに故障することに驚愕。それが彼を真正のクルマ好きに育てたに違いない。故障に乾杯!

次ページは : ■シートが破れて運転中に尻もち! 突然青空が見えました……(シトロエン2CV)

最新号

ベストカー最新号

このSCOOPは見逃せない! 次期型クラウンの姿、判明! ベストカー10月10日号(9/10発売)

 熱狂と感動の東京オリンピック/パラリンピックは閉幕しましたが、自動車業界は今もこれからも熱いです!…

カタログ