ガソリン逆噴射!!? シートが破れた!?? いま蘇る 中高年カーマニアたちの故障自慢 7選


■ホーンを鳴らした瞬間に全電源喪失、エンジン死亡!(マセラティ スパイダー・ザガート)

 あれは20年ほど前。ウチの店(マイクロ・デポ)が開店してまだ4~5年の頃でした。仕入れたばかりのスパイダー・ザガート(1991年式だったかな)のスモールランプを点けたら、エンジンがストンと停止。思えばそれが喜劇の前兆でしたねぇ。

 ビトゥルボに代表されるデ・トマソ時代のマセラティは、故障の帝王とも言われていますが、その多くが電気系から発生します。

 それもこれも品質管理の悪さが根源ですが(笑)、元をたどれば、経営難の零細企業の悲哀そのもの。当時のマセラティは、ライン生産をあきらめて、1台ずつのハンドメイドに逆戻りしていたくらいですからねぇ。

ビトゥルボ・マセラティの美しいエンジンルームの奥の奥、非常に手の届きづらい場所にメインヒューズボックスがあり、そこで無間地獄の如き電気系トラブルが発生する。勝手にライトが点いたり消えたりという心霊現象は序の口、何が起きるかわからないビックリ箱である

 それでもマエストロたちは、ワイングラス片手に? 歌を歌いながら楽しくクルマを作っていましたが、そんなクルマを25年間、直して直して故障しないようにして販売し続けているのは、私たちが真正のヘンタイだからかもしれません。

 で、弊社に入庫したスパイダー・ザガートですが、スモールランプ点灯→エンジン停止はすぐに復活したので、移動のため環八に乗り入れました。

  ところが、車線変更のお礼にホーンを「プッ」と鳴らした瞬間に再びエンジン停止! 今度はヒューズボックス内で重大な短絡事故が発生したらしく、全電源を喪失。ウンともスンとも言わなくなりました。

(やっちゃった……)

 ビトゥルボ・マセラティ最大の弱点は、メインヒューズボックスです。品質管理の悪さにより(笑)、形状からして少し歪んでいてしっかり閉まらず水が入ったりする上に、田舎のオバチャンが内職でやったみたいな、いーかげんなハンダ付けで、何をしたらどこがどう飛ぶか、順列組み合わせは無限大。

 新品に交換しても(これまた涙なしには語れないほどタイヘンな作業)、直るとはかぎらない。多発する故障に備えて、1個12万円するメインヒューズボックスを5個イタリアから取り寄せたら、5個とも不良品だったこともありました。

1987年から1993年まで生産された、いかにもマセラティらしい伊達なスパイダー。2.8LのV6ツインターボエンジン搭載

 最終的に弊社では、国産建機用を流用し、ヒューズボックスをワンオフ製作するという高みに到達して、このテの故障をほぼ根絶させることに成功しました!

 ビトゥルボ・マセラティには、「窓は全部開けずに必ず3センチ残せ、そうしないと手で掴んで引っ張り上げられなくなる」という掟がありますが、弊社の扱うクルマは、パワーウィンドウの開閉速度もたぶん世界一(笑)! ピューっと淀みなく動きます。

 それもこれも、数多くの困難に打ち勝ってきたからこその偉業であると自負しております……。

(証人/岡本和久さん『マイクロ・デポ』代表)

●故障驚愕度:120点…マンガでもありえない奇想天外すぎる故障に、ただただ脱帽! いつかこれを超える故障が発生して、世界珍記録の更新に期待しよう!

■納車翌日にATブチ壊れで強制2速固定!(BMW335iカブリオレ)

 憧れの335iが200万円台まで下がってきたので、6年落ち6万kmの個体を購入! バリオルーフのセレブ感にシビれた!

 ところが納車翌日、首都高で突然エンジン回転が「ウイ~ン!」と上昇、ATが勝手に2速固定に! 同時にディスプレイには「トランスミッション異常」の文字が!

 仕方ないので首都高を降り、一旦エンジンを止めて再始動したところ、表示も消えてATも復活。

証言者が乗っていたのは、E90系の335iカブリオレ。3L直6のツインターボエンジンは絶品、バリオルーフのセレブ感満点だが、BMWは全般にトラブルが少なくない

 なーんだ、ワーニングの故障だったのかとタカをくくり、翌日は伊豆に出撃したが、東名を巡行中、再びドカンと2速固定に! その日は計5回、強制2速固定のお仕置きを受けました。

 販売店に持ち込んだところ、ATロックアップ機構のトラブルで、ATオーバーホール、80万円ナリ(保証で修理)! キカイだから故障は仕方ないが、自動的に2速固定になることにビックリ。飛ばしてたらエンジンまでパーになっちゃうヨ~!

(証言/清水草一さん)

●故障驚愕度 80点…中古車とはいえ、納車翌日の大トラブル、しかも強制2速固定のお仕置きはキツイ! 

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