女子プロゴルファー黄金世代の「オシャレ」番長的な存在の臼井麗香選手の愛車をクローズアップ。22歳にしてメルセデスを繰る彼女の現実や理想を、本誌に大激白してくれた! そこにはアスリートならではの苦労や葛藤も垣間見えていた。
撮影/中里慎一郎
TEXT/小川淳子、構成/伊藤明弘
■愛車で年間5万km移動するだけに…
2021年型バリバリ新車のメルセデス・ベンツCLAシューティングブレイク200dのステアリングを握り、さっそうと現れたのはプロゴルファーの臼井麗香さん。
長距離移動が日常で、ゴルフバッグやスーツケースなど荷物も多いプロゴルファーにとって、クルマで過ごす時間はとても大切なものだ。
1998年12月生まれで、実力者が揃う「黄金世代」のひとりとしてツアーでプレーする毎日。その「相棒」にベンツを選んだのは、「スポンサーさんに提供していただいているんですけど、運転しやすいし凄く気に入っています。高速道路での安定感も抜群。しかもディーゼルだから燃費もよくてリッター20㎞以上は走れます」と、笑顔を見せる。
「運転するのは好きなんです。ひとりだとクルマで行くのは500kmくらいまで。毎週試合なのであんまり遠くまで行って体に負担をかけたくないので」と、はにかんだのを見ても、プロゴルファーの移動がどれほど過酷なものかがよくわかる。彼女の場合、かなりの長距離でも、クルマ移動が日常の生活。名古屋くらいまではひとりで走る。年間5万kmは走行するという。
中学時代の友人が付けたニックネーム「れいちぇる」が、ツアーに定着している臼井さん。運転免許を取ったのは日本ウェルネス高校を卒業する直前のことだった。この時のエピソードが大物ぶりを感じさせる。
「教習所の教官がみんなゴルフ好きで。地元だからみんな私のことを知ってるんです。だから、教習中もゴルフの話ばっかり。私は緊張してるのに、ゴルフの話をずーっとされていて。そんなことしてるうちに免許が取れちゃったんです。『私、(運転)大丈夫かな』という感じでした」と苦笑する。初めての愛車は18歳で購入した新車のアルファード。2年乗ってハリアーに買い替えた。
小学生の時に全日本小学校トーナメント関東大会で優勝(2010年)。世界ジュニアの日本代表となったのを皮切りに実績を積み重ねていた「れいちぇる」は、地元の有名人だった。
それは、地元の成人式で代表として舞台に上がり、振り袖をモチーフにしたドレス姿で客席に向かってスイングしたことでもよくわかる。ゴルフ好きの教習所教官たちにとっては、れいちぇるを教えることは至福の時間だったに違いない。地元の〝応援団〟の中にこの人たちがいることは容易に想像できる。
「試合中、コースへ往復する車中は凄く好きなんです。音楽をかけて凄くリラックスできる」と、オンとオフの切り替えとして車内時間を上手に使っている。マネージャーやキャディ、親族などと一緒に移動するプロが多いなか「ひとりがいいです」と、単独ドライブを楽しむハードボイルドな面も見せた。
3日間、時には4日間続く試合に向き合うには毎日、心身の健康を保つことが何よりも大切だ。ゴルフ場に着けば、たくさんの人がいてあわただしい。その前にクルマのなかでセルフコントロールをしてコースに向かうのがれいちぇるのルーティンだ。
車内でかかっているのは平井大の曲。「シャッフルして全部かけています」と、上手に試合に臨むために、ベンツは欠かせない。
次に乗り換えるとしたらスポーツタイプのレクサスLC 500。憧れのクルマはロールスロイス・ゴースト。颯爽と乗りこなしているエレガントな先輩女性がいて、「私もいつかはロールスが似合う女性になりたい」と決意を語ってくれた。
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