しげの秀一原作『MFゴースト』(講談社「ヤングマガジン」連載中)の2023年TVアニメ化が決定。2022年1月4日にはアニメ化を記念し、ティザービジュアルが公開された。
さらに特報PVも公開。この特報PVには本作のアニメ化にあたり、実車を使用した音声収録を実施。特報映像内に登場するそれぞれのクルマには生の収録音が反映されており、今後アニメに登場するクルマにも実際の走行音や効果音が使用される予定。
その実車の音声収録が2021年12月某日、JARI(日本自動車研究所)城里テストコースで行われるというので、ベストカーwebが同行取材! 当日、音声収録のため、JARI城里テストコースに集められた国内外のスポーツカーは計8台、総額約2億円に達する。
第2回は音声収録したポルシェ718ケイマンS、アルファロメオ4C、ロータスエキシージSの3台について、それぞれどんなクルマなのか、テストドライバーを務めた武井寛史氏によるインプレッションをお届けしよう。
文/プリウス武井
写真/森山良雄 小林邦寿
音声収録メイキング動画/音速ムービーズ
撮影協力/講談社、エイベックス・ピクチャーズ、BLITZ
車両協力/ポルシェ718ケイマンS:BEAVERS(ビーバーズ)、ロータスエキシージS:オーセンティックカーズ、フェラーリ488GTB:ロペライオ、 ランボルギーニウラカンSTO:ランボルギーニ・ジャパン
©️しげの秀一・講談社/MFゴースト製作委員会
■ポルシェ718ケイマンS、アルファロメオ4C、ロータスエキシージSという英独伊のライトウエイトスポーツ!
第2回目はポルシェ718ケイマンS、アルファロメオ4C、ロータスエキシージSという、人馬一体感が味わえる英独伊の2シーターミドシップスポーツがJARIテストコースに揃い踏み。
それぞれ、ドアの開閉音からエンジンスタート時の音、加速シーン、ブレーキング、エキゾーストノートなどアニメに使用するためにあらゆる音を収録。こうした実車から収録した臨場感溢れるサウンドにより、見ている我々に感動を与えてくれるだろう。
さっそく、テストドライバー武井寛史氏によるインプレッションをお届けしよう。
■ポルシェ718ケイマンS/『MFゴースト』登場キャラクター・ミハエル・ベッケンバウアー
ポルシェ718ケイマンSを駆るのはドイツからの刺客、ミハエル・ベッケンバウアー。MFGドライバーのなかにおいてMr.パーフェクトという印象のキャラクターだ。
作中に登場する718ケイマンは、2016年に発表された第三世代となる982型。2Lターボと2.5Lターボエンジン搭載車が同時に発売されたが、ミハエル・ベッケンバウアーがドライブするのは2.5Lターボのモデル“S”だ。
第二世代まではNAの6気筒エンジンを搭載していたが、718からは4気筒に変更。過給機を付け、パワーを確保しながら運動性能の向上を目指した。
車名の”718″というのは、1950年末期から1960年代にかけ活躍したレーシングモデルのコードネームでポルシェモータースポーツの歴史で最も大切な名称。このケイマンで復活させたというのはポルシェにとっても重要なモデルということだ。
ポルシェのトラクションはこの718ケイマンSでも健在。停止状態からアクセルを踏み込んでもホイールスピンすることなく路面を蹴って加速するのは圧巻。
ターボラグもなく動き出した瞬間から力強いトルクが発生して一気にピークパワーまで到達する。7速PDK(DCT)の0~100㎞/h加速は4.2秒(ローンチコントロール作動時)と俊敏だ。
フラットな路面においてサスペンションはほどよいロール感でとても扱いやすい。全体的にスタビリティが高く、ステアリングとシート座面にタイヤが路面を捉える感覚が伝わってくるから安心してスロットルが開けられる。
電子デバイスのアシストもあり、危なげなくコーナーをクリアする姿勢は、ドライビングセンスが高いドライバーには手足のように操れる感覚が得られる。
反面、路面が荒れている一般道では細かい路面の凹凸もキャッチして印象は、がらりと変わる。コーナーの立ち上がりでトラクションを必要とするポルシェにとってはアクセルを踏める柔軟性のある”足”が必須だ。
ブレーキペダルのタッチは張があり踏力で調整できる感覚はレーシングカーそのもの。フルブレーキングでは4輪がバランスよく制動するから、フロントばかりに荷重が移動しないバランスはさすがポルシェだ。
JARIではメーター読みで270km/hオーバーを記録。230㎞/hを超えたあたりから風の抵抗でパワー感が減少するが高い速度域でも尚、安心してドライブできるのはポルシェというスポーツカーの魅力だ。
718ケイマンSは、全長4385mm、全幅1800mmと車体のサイズ感がちょうどいいし、パワー感も車格にあっていて扱いやすい。高いコントロール性でクルマを振り回せる感覚は人馬一体という表現がしっくりくる。
ここまで完成度の高いクルマをドライブするのが冷静でクレバーなM・ベッケンバウアーとは……。カナタにとって最強の壁となることは間違いない。
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