■搭乗機はキャスト変更!! マーヴェリックの愛機はスーパーホーネットに
では、本シリーズのもうひとりの主役でもあるトムの愛機はどうなのか?
1作目ではF-14トムキャットを使っていたが、36年を経た今回はF/A-18スーパーホーネット。映画のウリはデジタルを使用せず、機内に6台ものIMAXカメラを設置、トムを含む役者たちが実際にその機に乗り込み、飛行シーンを撮影したというところにある。
この飛行シーンは本作のハイライトのひとつ。最新設備の劇場で鑑賞すると没入感がハンパない。
このシーンをよりリアルにするためトムは、若きトップガンを演じる役者たちにスーパーホーネットに慣れるためのブートキャンプを開設。毎晩、彼らのレポートに目を通し、ひとりひとりに合った訓練をカスタマイズしていたという。トムはオフカメラでも彼らの教官を演じていたわけだ。
また、マーヴェリックが丁寧に整備している第二次大戦の戦闘機、P-51マスタングはトムの実際の愛機。ロールスロイス社のエンジン、マーリンを搭載していることもあって、車ファンには親しみのある名機だ。
ちなみに、戦闘機に関しては後半、嬉しくなるようなサプライズも待っているのでシリーズファンは楽しみにしてほしい。
本作、オープニングは1作目のテーマソングだったケニー・ロギンスの『デンジャー・ゾーン』で幕を開け、映像はオレンジ色の夕陽をバックにした空母上で飛び立つ戦闘機の図。これもまた、ちゃんとオリジナルとリンクしている。
最初に、本作を楽しむ場合、基礎知識だけ押さえておけばいいと言ったが、基礎知識以上を押さえている人には、続編ならではのお楽しみが山積み用意されているということ。ここまで親切かつ丁寧に作られた続編には滅多にお目にかかれない。最近のシリーズものではピカイチの出来栄えだ。
●解説●
上官の命令に背いたベテランパイロットのマーヴェリックことピート・ミッチェルに課せられた新しい任務、それはかつて彼が在籍していたトップガンの教官だった。
そこで彼を待っていたのは、訓練中に亡くなった親友の息子グースと、実現不可能とも言えそうな極秘任務。マーヴェリックはグースの反抗的な態度に手を焼き、さらにはその任務の難しさに行き詰まる。
1986年公開の『トップガン』はトム・クルーズのアクション映画デビュー作であり、彼はこの大ヒットでスターの地位を確立し以来、ハリウッドのトップを走り続けている。
当時、大きな話題となったスタイリッシュな映像と音楽のコラボレーションは、これが長編2作目になるトニー・スコット監督によるもの。トム同様、トニーも本作でブレイクしたのだが、2012年、残念なことに亡くなってしまった。
本作は当初、そのトニーが再びメガホンを取ることで進んでいたが、彼の死によって中断。トムが主演したSF『オブリビオン』(2013)のジョセフ・コジンスキーがそのあとを継いで監督を務めることになった。
そういう経緯があるためか、随所にトニーに対するリスペクトとオマージュが散りばめられていて、それも本作の大きな魅力となっている。こちらも最後にサプライズが用意されているので、楽しみにしてほしい。
『トップガン マーヴェリック』
2022年5月27日(金)
(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
配給:東和ピクチャーズ
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