日常のアシとしておよそ3年半を共にした電気自動車、日産リーフを手放した筆者であるが、その後釜として購入したのは、お世辞にも人気車種とは言えないホンダのハイブリッドセダン、インサイトであった。
すでに新型シビックハイブリッドの登場がアナウンスされており、まもなく消滅することがわかっている不人気車をチョイスした理由をお伝えし、人と同じクルマはイヤ! という変わり者のアナタのクルマ選びの参考にしていただければ幸いである。
文、写真/小鮒康一、ホンダ
【画像ギャラリー】イチ押しの内外装カラーリングはこれ! EX・PRIME STYLEを見る(3枚)画像ギャラリー迷走に迷走を重ねたインサイトの歴史
インサイトはハイブリッド専売車として1999年に初代モデルがリリースされており、実用性は二の次で、とにかく燃費性能だけを追求したストイックなモデルだった。そのためボディ形状は往年のCR-Xを思わせるファストバッククーペスタイルで、空気抵抗を低減するためにリアホイールスカートを装着していた。
車体にはNSXと同様にアルミを多用し、フロントフェンダーなどには樹脂を採用したことで、ハイブリッド車ながら800kg台前半という軽量な車両重量を実現。見事当時の量産ガソリン車No.1の燃費性能を実現したのである。
しかし、燃費性能にステータスを全振りした初代は販売面では成功したとは言い難く、2009年に登場した2代目モデルではライバルであるプリウスにガチンコ勝負を挑むべく、プリウスと同じ5ドアハッチバックのスタイル(ただし5ナンバーサイズ)を纏っていた。
また価格面でも2代目プリウスよりも低価格な189万円~とするなど、打倒プリウスを目標にリリースされたのだが、直後に登場した3代目プリウスは車格や排気量がひと回り上なのにもかかわらず、205万円~という低価格でデビューしたのに加え、2代目プリウスを「プリウスEX」と称してインサイトと全く同額の189万円~という価格で継続販売するなど、完膚なきまでに叩き潰されてしまったのだった。
そして2018年に登場した3代目(現行型)は、クーペスタイルのファストバックセダンボディとなり、パワートレインも一新してプリウスとは異なる路線で登場。
先行してアメリカで販売がスタートしていることからもわかるように、メインターゲットを北米地域としたことで、彼の地ではまだまだ需要の高いセダンスタイルを採用したのだろうが、結果的に日本では不人気ジャンルの1台となってしまった。なんとも皮肉な結果と言えるだろう。
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