そんな現行インサイトのどこに魅力を感じたのか?
お世辞にも日本では人気が高いとは言えないインサイト。筆者が購入を決断した2022年3月末の時点での累計登録台数はおよそ1.6万台と、2022年3月のひと月に登録されたヤリス17,442台を下回る台数となっている。
しかし、台数が売れていないからといってクルマの完成度が低いかというとそういうわけでもなく、多くの自動車媒体でもインサイトの評価は「いいクルマだけど売れていない」というものなっている。
実際に乗ってみても街中の走行時にはエンジンで発電しモーターで走行する、いわゆる日産のe-POWERと同じシリーズハイブリッド方式で走行するのだが、この方式が苦手とする高速走行時はエンジンを直結して効率の良い走りを実現。「e:HEV」はどんなシチュエーションでも優れた燃費性能を実現してくれる。
そのため、電動車の乗り味に慣れてしまった筆者でも違和感なく乗り換えることができ、e-POWER車を乗っていた頃(HE12型ノートに乗っていたこともある)に不満だった高速走行時の燃費性能もクリアしたという、いいとこどりのシステムなのである。
現状のハイブリッドシステムの中ではシンプルかつ高効率であるという点でかなり優れたシステムであると思うのだが、如何せんアピール度が少なく認知度が低いのが最大の問題かもしれない……。
また日本では不人気となっているセダンボディではあるが、高いボディ剛性や静粛性の高さには有利に働き、ホンダらしい着座位置の低いスポーティなドライビングポジションも相まって、趣味グルマのロードスターから乗り換えてもさほど違和感を覚えないのもうれしいところ。
決め手はレアなアイボリー内装
そしてなにより魅力に感じたのが、2020年5月のマイナーチェンジのタイミングで追加された「EX・PRIME STYLE」というグレードのみに設定されたアイボリー内装とシルバーミストグリーンメタリックという内外装の組み合わせである。
多くのユーザーが汚れを気にして選択しないアイボリー系の内装色ではあるが、室内を明るく広く感じさせてくれるというメリットがあるため、筆者は好んで選択している。それに組み合わされるシルバーミストグリーンメタリックは、言ってしまえば現行フリードなどに設定されているのと同じ色なのだが、セダンボディに塗られることでまた違った印象を与えてくれるカラーとなっているのだ。
ただ、この色の組み合わせを選ぶユーザーはかなり少ないだろうと思ってホンダ広報部に問い合わせてみたところ、こちらも2022年3月末の時点での登録実績は僅か100台弱。あのGRMNヤリス(500台限定)など目ではないほどレアなのである。
そんなインサイトも、まもなく登場するシビックe:HEVにバトンタッチする形で姿を消すことになる。万人にオススメできるクルマではないが、ちょうどいいサイズでそれなりに上質なセダンがほしいという人にはきっと刺さる1台であることは間違いない。
すでに一部仕様が選べない可能性がある旨が公式サイトに記載されているので、気になる人はお早めに。
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