秋の行楽はこれで決まり!!! 独断で選ぶ「神7」もご紹介 カーマニアのための「現存天守閣」12城ガイド

■第1位 松本城(長野県・国宝)

●アルプスを背景に優美に聳え立つ

 松本城の美しさには息を呑む。雪をいただく北アルプスを遠景に、広い内濠をはさみ、戦国末期らしい野趣を備えた石垣の上に聳える、五層六階の黒々とした大天守。その周囲には3つの小天守や櫓が連結されている。

 独立式、複合式、連結式、連立式とある天守のうち、松本城は複合連結式。大天守の周囲を、小さな「子分」たちが取り囲むことで、安定感と重厚感が演出されている。

 松本城は、内濠の水面の存在が実に素晴らしい。濠は幅広く、石垣は丈低く、水面に天守が美しく映り込む。こんな映り込みが楽しめる天守は、松本城だけである。

第1位 松本城(長野県・国宝・kikisora@Adobestock)
第1位 松本城(長野県・国宝・kikisora@Adobestock)

 色彩も豊かだ。空は青く山は白い。天守は漆喰の白と漆の黒がコントラストを成す。月見櫓の欄干と、濠にかかる「埋橋」は、朱の差し色を添えている。

 山、水、石、そして複雑に連結した天守の群れ。豪壮な背景に繊細な建築物がよく映える。風情として、パーフェクトに近いバランスが実現している!

 松本城は、現存天守として唯一の平城。つまり、天守は平地とほぼ変わらない高さに建つ。ほかの天守とは目線の角度が異なるため、周囲の背景と一体となって楽しむことがたやすいのである。

 濠の水面越しに天守を眺めれば、日本庭園の浮島に聳える、巨大な庭石に見える。これはもう、到底軍事施設とは思えない。エレガントな池泉庭園そのものだ!

 松本城天守は、あまりにも美しく繊細であるがゆえに、軍事施設としての力感や難攻不落感には欠けるが、そもそも天守には防御能力などないと割り切れば、逆に清々しくもある。

 しかも、そのほかの要素は完全無欠。たたずまいを楽しむなら、松本城を超える現存天守はないだろう!

●クルマに例えれば…フェラーリ!

 松本城のエレガントなたたずまいを自動車に例えればフェラーリ以外にあり得ない。フェラーリは決して地上最速・最強ではないが、地上で最も美しいことは間違いないからである! モデルとしては288GTOが最適か。これまた決して地上最速・最強ではないが、フェラーリ最高の美少女戦士。308をベースに、あまりにもエレガントに武装した288GTOの姿は、城でありながら優美すぎる松本城に通じるものが多々あろう。

松本城をクルマに例るならフェラーリである! 決して地上最速・最強ではないが、地上で最も美しいことは間違いなし!!!
松本城をクルマに例るならフェラーリである! 決して地上最速・最強ではないが、地上で最も美しいことは間違いなし!!!

●松本城へのアクセス…長野自動車道・松本ICから、松本市街地方面へ向かって約3.5km(約20分)。市のほぼ中心部にある。隣接して市営駐車場2カ所あり。

■第2位 犬山城(愛知県・国宝)

●木曽川断崖上のエレガンス

 犬山城最大の美点は、木曽川の断崖上というロケーションにある。ゆえに中国の白帝城(三国志。蜀の劉備玄徳が亡くなった、長江沿いの断崖上の城)になぞらえられた。

第2位 犬山城(愛知県・国宝・hallucion_7@Adobestock)
第2位 犬山城(愛知県・国宝・hallucion_7@Adobestock)

 天守そのものは高さ19mと小ぶりだが、木曽川河岸から見上げれば、一幅の絵のように美しい。このようなロケーションにある現存天守は犬山城だけだ。

 天守の形式は、古風な望楼型。最上階には歴代城主の肖像画と写真が飾られているが、そこには明治維新後の城主たちも含まれている。

 犬山城は近年まで、江戸期からの城主・成瀬家の個人所有が続いていた城なのだ。歴史が生きていることを実感できる。

●クルマに例えれば…マツダ ロードスター!

犬山城をクルマに例えるならマツダ ロードスター! コンパクトながら美しい姿は、さながらロードスターのよう。歴史も戦歴も実に豊かだ!
犬山城をクルマに例えるならマツダ ロードスター! コンパクトながら美しい姿は、さながらロードスターのよう。歴史も戦歴も実に豊かだ!

●犬山城へのアクセス…名神高速・小牧ICから約25分。有料駐車場あり。

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