秋の行楽はこれで決まり!!! 独断で選ぶ「神7」もご紹介 カーマニアのための「現存天守閣」12城ガイド

■丸亀城(香川県)

●巨大な高石垣の上に最小クラスの天守が残る

 丸亀城と言えば、なんといっても山頂まで4重に重ねられた高石垣だ。合計すると高さはなんと60mにもなり、亀山全体を石垣で固めたかのように見える。

 それに比べると天守はあまりにも小さく、哀愁が漂う。

丸亀城(香川県・Hideaki Yamashita@Adobestock)
丸亀城(香川県・Hideaki Yamashita@Adobestock)

●クルマに例えれば…ダイハツ タフト!

丸亀城をクルマに例えるならダイハツ タフト! 巨大な高石垣はいかにもたくましいが、天守のサイズは最小クラスであります。
丸亀城をクルマに例えるならダイハツ タフト! 巨大な高石垣はいかにもたくましいが、天守のサイズは最小クラスであります。

●丸亀城へのアクセス…高松自動車道・坂出ICを利用。

■弘前城(青森県)

●節約設計の小さな天守 桜の名所で超有名

 これは天守なのか? と思うほど小さいが、それもそのはず、正式には御三階櫓。外側2面には破風を設けてあるが、内側にはそれもない節約設計だ。

 天守は小さいが城郭全体はよく保存されており、桜の名所として有名。

弘前城(青森県・farusu@Adobestock)
弘前城(青森県・farusu@Adobestock)

●クルマに例えれば…スズキ ラパン!

弘前城をクルマに例えるならスズキ ラパン! 最小クラスの天守だが、城址公園として優美。桜が咲けば超絶カワイイ!
弘前城をクルマに例えるならスズキ ラパン! 最小クラスの天守だが、城址公園として優美。桜が咲けば超絶カワイイ!

●弘前城へのアクセス…東北自動車道・大鰐弘前ICを利用。弘前市中心部にあり、市役所駐車場が近い。

■宇和島城(愛媛県)

●原生林の城山山頂にちょこんと建つ

 宇和島城は、当初は海に面した海城だったが、埋め立てが進み、現在は町の中心部になった。急斜面を上り山頂に至ると、驚くほど小さい天守があっけない感じで待っている。

宇和島城(愛媛県・ziggy@Adobestock)
宇和島城(愛媛県・ziggy@Adobestock)

●クルマに例えれば…スズキ ワゴンR!

宇和島城の山頂に天守がポツンとある様子は、さながら孤高の傑作・初代ワゴンR(スズキ)。
宇和島城の山頂に天守がポツンとある様子は、さながら孤高の傑作・初代ワゴンR(スズキ)。

●宇和島城のアクセス…宇和島市中心部にある。隣接して市営駐車場あり。最寄りは松山自動車道の宇和島朝日IC。周辺の観光スポットと合わせて楽しみたい。

■結論!!!

 ひと口に現存天守と言っても、姫路城から宇和島城まで遺構の規模はピンキリで、それぞれ強い個性がある。城マニアならすべてを制覇したい! カーマニアなら、もちろんクルマですべての城を巡るのがベスト。遠い城もあるかもしれないが、健闘を祈る!


【番外コラム】お城に興味がなくても意外と(マジで)ためになる 天守閣あれこれ

●天守は何に使ったのか?

「天守は見た目だけのハリボテ」と書いたが、歴史を振り返ればそうとも言い切れない。

 天守の前身は、物見のための「望楼」「井楼」だったと言われる。しかしその高層性ゆえに、徐々に権威の象徴に転用されると同時に、城の最終防衛拠点としての機能を持たされた。ただ、天守だけが残った状態で守り切れるはずはなく、せいぜいが切腹までの時間稼ぎである。

 権威の象徴としての機能に関しては、安土城天守には、自身を神格化する装置としての意味があり、秀吉の大坂城もその流れを引き継いだ可能性があるが、江戸期に入ると、大名の「格」の表現が主になった。

 城主の居住や政務の場は低層の「御殿」。天守は、物置きとして利用されることが多くなったようだ。

備中松山城天守。天守としては珍しく囲炉裏が残っているのは、山城ゆえか?(kurutanx@Adobestock)
備中松山城天守。天守としては珍しく囲炉裏が残っているのは、山城ゆえか?(kurutanx@Adobestock)

●天守は階段が急だ!

 現存天守は築城時の姿を保っているため、階段もそのままだ。ゆえに、恐ろしいほど急である。

 現代の階段の角度は35度くらいが多いが、現存天守の階段は60度以上。手を使わずに登るのは難しいので、手すりやロープが装備されている。

 この急な階段だけを見ても、天守がお殿様の御殿などではなく、物見櫓の延長線上にあることが実感できる。

松江城天守閣の内部風景(mtaira@Adobestock)
松江城天守閣の内部風景(mtaira@Adobestock)

 天守の最上階なんかに住んでいたら、あまりにも不便でいやになること間違いなし! そもそも天守には、厠や台所など、生活のための施設もないことが多いのだが。

 お城マニア以外の一般人は、現存天守と再建天守の区別があまりついていないが、普通に歩いて登れる階段や、エレベーターがついた天守が、本物であるはずがない。

 再建天守の多くは、昭和30年代の鉄筋コンクリート製。階段を見れば、一発で区別が付くので、注目してほしい。

●現存天守以外の天守たち

 現存天守12城以外には、どんな天守があるのだろう。

・木造復元天守(5城)…木造で可能な限り忠実に再建されたもの。現在は木造以外の再建を文化庁が認めていない。掛川城(静岡県)など。

・外観復元天守(9城)…昭和30年代を中心に、外観のみ復元した、主に鉄筋コンクリート製の城。名古屋城や広島城、熊本城など。

・復興天守(13城)…かつては天守がその場所に存在したが、資料が残っていないなどの理由で、推定で再建した天守。大坂城や福山城など。

・模擬天守(52城)…もともと天守はなかったが、観光等のために造った天守。清洲城(愛知県)など。

 現存天守以外でも、昭和30年代の鉄筋コンクリート製天守は、老朽化で風情が出てきている

●空襲等で焼けた8天守 

 太平洋戦争までは、全国に20の現存天守が存在したが、そのうち7城が1945年の空襲で焼け、戦後1城が失火で焼けて失われた。

・名古屋城…江戸城・徳川大坂城が江戸初期に焼失したため、江戸期の大半、日本最大の天守として威容を誇ったが、名古屋空襲で焼失。戦後、鉄筋コンクリートで復元されたが、老朽化もあり、木造での再建が決まった。ただ木造では身障者用エレベーターの設置が困難であるなど、多くの問題が立ちはだかっている。

・岡山城…空襲で焼失。鉄筋コンクリートで再建。
・和歌山城…岡山城に同じ。
・大垣城…岡山城に同じ。
・水戸城(御三階櫓)…空襲で焼失するも、再建はされなかった。
・広島城…原爆により倒壊。鉄筋コンクリートで再建。
・福山城…空襲で焼失。鉄筋コンクリートで再建。
・松前城…1948年、失火により焼失。鉄筋コンクリートで再建。

 20世紀中は、建築基準法等を満たすために、鉄筋コンクリート製でないと再建は不可能だった。

【画像ギャラリー】各城の歴史もご紹介! 清水氏厳選の12城をギャラリーでみる。(13枚)画像ギャラリー

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