■目玉技術は、ハンズオフ付高度車線内運転支援機能とハンズオフ付高度車線変更支援機能
今回の試乗会で体験できた機能は、「ハンズオフ付高度車線内運転支援機能」「ハンズオフ付高度車線変更支援機能」「カーブ車速調整機能」「ドライバーの状態と前方リスクを検知、回避支援を行う技術」「ドライバー異常時対応システム」の5つだ。
どの技術も名称がかなり長いが、簡単にいえば、高速道路上でハンズオフができる走行支援と、ハンズオフのままレーンチェンジ(以下自動LC)ができる機能、コーナー手前で自動減速する機能、ドライバーのよそ見を検知して、リスク回避を支援する機能と、万が一意識を失ったときに自動停車をする機能だ。
走行中のハンズオフは、日産のプロパイロット2.0やスバルのアイサイトX、トヨタのアドバンスドドライブでもお馴染みなので、目新しさは少ない。
ただ、自動レーンチェンジ(LC)に関しては、他メーカーの一歩先をいく部分がある。他社車ではレーンチェンジの際、システムからの提案に対して、ドライバーがスイッチを押すか、ウインカーを操作するなどで、最終承認をする必要がある。
ただ、次世代360は、「右車線を確認してください。車線変更します」とクルマからアナウンスがあるだけで、そのまま何もしなくとも自動でレーンチェンジが行われる。レジェンドで搭載されていたホンダセンシングEliteと機能は同じだが、他社車のハンズオフ自動LCではまだやっていない(やろうと思えばすぐにできるだろうが)。
今回のデモ走行では、前走車に追いつく前に自動減速をして、自動で追い越し車線へレーンチェンジをして、自動で設定速度まで再加速、自動で走行車線へ戻る、といった一連の流れを、極滑らかに行っていた。
スイッチを押すことやウインカーを操作するというのは、たったワンアクションではあるが、次世代360はそれすら必要ないことで、また一歩、完全自動運転に一歩近づいたような印象を受けた。
もちろんカメラがドライバーの状態を監視しているので、レベル3のようにアイズオフをすることはできない。だがアイズオフには慣れが必要であり(体験したが、かなり怖かった)、ドライバーが前を向き安心できる状態でハンズオフ、しかも自動LCまでしてくれるのは、アイズオフの時代へ移行するまでの前段階として最適だと感じた。
ホンダによると、次世代360は、ステップワゴンやシビック、ヴェゼル、そしてN-BOXなどの量販車にも、標準機能として2024年以降に導入(2030年には先進国で全車導入)していくという。
■ドライバー異常時対応システム
ドライバー異常時対応システムは、システムからの操作要求に対してドライバーの反応がない場合、同一車線で減速・停車を支援する機能。ドライバーがシステムからの操作要求に応じなかった場合、警告音を強め、ドライバーに操作要求に応じるよう、さらに促す。
それでもドライバーが操作要求に応じなかった場合は、ドライバーや同乗者、他の道路ユーザーを車両衝突による危険から遠ざけるために、ハザードランプとホーンで周辺車両への注意喚起を行いながら、減速・停車を支援する。昨今の心筋梗塞などドライバーの心肺停止に伴う事故が低減されることに期待したい。
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