■降車時車両接近警報
降車時車両接近警報システムは、駐停車中、後側方に接近する車両を検知すると、フロントピラーもしくはサイドミラー上のインジケーターを点灯させ、認知を支援。
乗員が降車のために開けたドアが、自車側方を通過する車両と衝突するおそれがあるときは、インジケーターを点滅させると同時に警報音で注意を喚起し、ドアを開けることを留まるよう促す。
■ドライバーの状態と前方リスクを検知回避支援を行う技術
ドライバーの状態と前方リスクを検知回避支援を行う技術としては以下3つがある。
1:注意喚起、衝突注意警報
ドライバーの状態を検知し、注意力低下時や漫然運転時に歩行者、自転車、停車中のクルマや前走車などに衝突の可能性がある場合、減速し、未然に注意喚起するとともに、車線をはみ出さないようにステアリング操作支援を行う。
2:車線内回避支援技術
歩行者、自転車、停車中のクルマなどに衝突する恐れがあり、同じ車線内に十分な回避スペースがあるとシステムが判断した場合、車線内で減速し続けながら衝突回避を支援する。
3:緊急回避操舵支援技術
歩行者、自転車、停車中のクルマなどに衝突する恐れがある状況で、ドライバーによるステアリング操作があった場合、減速し続けながらステアリング操作を支援する。
■廉価なセンサー構成でハンズオフを実現するホンダの技術
技術的に注目したいのが、テストカーに搭載されているセンサー系統が、高価なライダーセンサー(クルマやバイクなどの金属物と、それ以外の非金属物の検知・測距に優れる、レーザー光を活用したセンサー。高性能だがコストは高くなる)ではなく、廉価なレーダーセンサー(金属物の検知と測距に優れる、ミリ波電波を活用するセンサー。機能は落ちるが廉価)を使用していること。
レジェンドのホンダセンシングEliteには、ライダーセンサーが5個、レーダーセンサーが5個、フロントセンサーカメラ2個、ソナーセンサーが12個備わっているという「センサーオバケ」状態だったのに対し、今回試乗したアコードのテストカーには、ボディの4隅とフロントに計5個のレーダーセンサー、フロントウインドウのカメラの構成と、とてもシンプル。レーダーで目標物の検出と距離を検知し、ルームミラー裏側の2基のカメラで、検知物が何かを判別するシステムに置き換えているという。
現在ハンズオフ走行機能が搭載されているのは、どのメーカーも、ごく一部の上級車のみ。先日フルモデルチェンジとなった日産新型「セレナ」にも、ハンズオフが可能な「プロパイロット2.0」が搭載されたが、プロパイロット2.0が付くLUXION(税込478万円)は、e-POWERハイウェイスターV(税込368万円)に対して110万円の価格差となる(LUXIONには、プロパイロットパーキングやSOSシステムなど、50万円相当のセットオプションが含まれるため、プロパイロット2.0のコストは約60万円というところか)。
ハンズオフや自動LCはセンサー類にかかるコストが半端なく、とんでもなくお金がかかるため、コストアップをある程度受け入れられる上級車でなければ、搭載が難しいのだ。
これを低価格帯のクルマにも採用するとなれば、コスト低減は必須。しかも、機能面は1ミリも落としてはならない。どのメーカーも必死で、コスト低減のための検討をしているはずであり、今回のホンダの発表を受けて、他メーカーは焦りを感じることになるかもしれない。
※補足
●ライダーセンサー:クルマやバイクなどの金属物と、それ以外の非金属物の検知・測距に優れる、レーザー光を活用したセンサー。高性能だがコストは高くなる
●レーダーセンサー:金属物の検知と測距に優れる、ミリ波電波を活用するセンサー。機能は落ちるが廉価
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