大衆車=セダンという時代も今は昔。庶民にも手が届く200万円台、300万円台という価格帯でいま最も選択肢豊富なカテゴリーはSUVだ。
さらに、輸入車も2018年は史上2番目に多い年間30万台超を販売。その好調を後押したのがSUVで、国産・輸入問わず実力の高いSUVが次々に登場している。
そこで、本企画では最大のボリュームゾーンともいえる200万円台、300万円台の各価格帯におけるSUVのベスト3車を選出。ここで挙げた計6台以外にも数多くの実力車がひしめいている!
文:松田秀士
写真:編集部
ベストカー 2019年3月10日号
ヴェゼルかC-HRか? 200万円台SUVの「ベスト3」
この価格帯だとグレードによっては安全装備などで、上級モデルには標準装備されているけれども廉価版にはない、なんてことがよくある。アウディQ2なんて、デザインも走りもかなりよくて、交差点での出合頭のクルマじゃんけんでも勝率が高く、相手が国産車なら譲ってくれる確率大だし、いいんですよ。
しかし、アウディQ2「30 TFSI」だとACC(先行車追従型クルコン)が付いてない。残念! Q2「30 SPORT」なら0〜200㎞/hまで制御するACCが付いているんだけどね。まぁ、こういうところで価格調整をしている。
このようなことを考慮すると、C-HRやヴェゼルが俄然台頭してくる。走りの質感ではブランド系の欧州勢にやや劣るものの、燃費と安全装備はしっかり抑えている。
C-HRにはトヨタセーフティセンスが標準装備され、もちろん全車速対応のACCが含まれる。ヴェゼルもしかりなのだが、なぜヴェゼルを1位にしたかというと、安全装備のホンダセンシングにはLKA(車線維持支援システム)が装備されているから。
C-HRの場合、車線から逸脱しそうになった時に制御を行うので、車線内の中央維持機能は装備されていない。それでいてヴェゼルはハイブリッドでも価格的にかなり手頃感があり、多少の乗り心地のもったり感には目を瞑ったとしても、疲労軽減で安全に寄与するLKAの装着を筆者は支持する。
3位のフォレスターはご存じ、先進安全装備のアイサイトを標準装着する。このなかの“ツーリングアシスト”にLKAに相当する制御が含まれている。ACCもあるので、高速道路の長距離移動では疲労を軽減することができる。
では、なぜフォレスターを3位にしたかというと、燃費性能で上位2車に劣るから。ただし、2.5Lの水平対向4気筒DOHCエンジンとリニアトロニックCVTの加速力は魅力で、少々燃料代を覚悟しても味のある走り、室内静粛性の高さ、アイポイントが高く、視界がいいので運転がしやすいなど実力は高い。
では、それ以外の車で注目なのはどれか?
まず、ハリアーの2L「エレガンス」はハイブリッドではないからこの価格で手に入る。スペースユーティリティを含めてフォレスターといい勝負。このような視点で見ると、エクストレイル(ガソリン)、アウトランダー(ガソリン)も見逃せないモデルだ。
特にアウトランダーはPHEVのマイナーチェンジによって、車の質感も含めて再認識すべきモデルだろう。もうひとつ、SUVというよりもミニバンというジャンルに入るCX-8のガソリンモデルがこの価格で手に入ることにも注目。この車は300万円台のトップに挙げるので、ここでは敢えて評価しなかった。
ここまでは装備やコスパを重視して注目車を挙げてきたのだが、そういうところとまったく関係なく注目したのがジムニーシエラだ。
この車のステアリングを握って走らせているだけで幸せになる。運転する自分が外から見られているだろう、その姿を想像する自分もまた楽しい。その意味ではルノー キャプチャーもいいね。
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