■一代かぎりでその一生を終えた儚さ
iQの歴史を振り返ってみると、デビュー翌年の2009年には、1.0Lエンジンに加えて、1.3Lエンジンが追加されている。さらに2010年には、6速MTを採用する「130G→(ゴー)」なるモデルも設定。その後、次世代モデルが発売されることもなく、2016年に残念ながら生産終了となったわけだが、これだけ特異なクルマが約8年生産され続けただけでも偉大である。
さらに、あまり知られていないが、iQには派生車も生まれている。なんとあの英国の名門アストンマーティンからOEM車が発売されていたのだ。
この「シグネット」と呼ばれたアストンマーティン版iQは、アストンらしい横縞グリルが装着され、外板はすこしずつ変えられて、アストンらしくスポーティに装飾された。内装には各部にレザー素材があしらわれて、iQを上回る高級感を醸し出していた。
噂によれば、これはアストンマーティンが欧州自動車メーカーに課せられたCO2削減値をクリアするための戦略的OEMだとも言われているが、なんにせよ日本人としては嬉しいことだ。
日本を代表するトヨタ車が、英国の名門に認められた瞬間であった。販売台数が振るわなかったことなど関係ない。トヨタの高い技術力と製品性を世界に主張するためにも存在意義があったクルマであった。
【画像ギャラリー】軽自動車より小さなマイクロカー・トヨタ iQの写真をもっと見る!(6枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方スズキツインも紹介してほしいです。
これ1.3Lにして高評価を得たんだよね。乗り心地とか安定性とか。
中古車市場にも1.3は見掛けない。