【愛すべき日本の珍車と珍技術】世界最高燃費を目指した初代インサイトの技術に迫る!

【愛すべき日本の珍車と珍技術】世界最高燃費を目指した初代インサイトの技術に迫る!

■世界一高効率の燃費車の心臓はホンダ独創のIMAシステム

 ボディのいたるところに徹底的な空力処理が実施されていたことは語り草だが、流線形のファストバックスタイルやリアのホイールを覆うホイールスカート、フロア下の整流などにより、空気抵抗を示すCd値は量産車世界最高レベルの0.25を達成していた。

 押し出し成形材とダイキャスト成形材を採用した新骨格のアルミボディは、スチールボディに比べ約40%の軽量化を達成。アルミプレス材と樹脂材を組み合せたボディパネルの効果も相まって、車両重量は820kg(5速MT車)という軽自動車並みの重量としていた。

先進的でスポーティなスタイルは細部にわたって空力処理が施され、Cd値(空気抵抗係数)=0.25を実現
先進的でスポーティなスタイルは細部にわたって空力処理が施され、Cd値(空気抵抗係数)=0.25を実現

 そんな世界一高効率の燃費車を目指したインサイトの心臓部には、ホンダIMAシステムが搭載された。それまでホンダは、VTEC技術を核としてエンジンの高出力化を図りながら、リーンバーン技術で実用域の燃費を改善した高効率なエンジンを商品化してきた。

 IMAシステムの要となるのが、VTECをはじめとしたホンダが培ってきたエンジン技術をさらに進化させた1L 3気筒エンジンだ。この1Lエンジンには、フリクションの低減や部品の軽量化技術はもとより、リーン領域を拡大させるなど、これまでにない新たな設計を盛り込むことで燃費とエミッションの低減が図られている。

 さらに、VTEC機構とセンターインジェクション、コンパクト・ピストン燃焼室によって大幅な燃費低減が可能なガソリン直噴技術も合わせて開発し搭載していることも、超低燃費に大きく貢献している。

 この効率をとことん究めたエンジンには薄型のモータージェネレータが直結されており、エンジン回転に同調してアシストや回生を行う。モーターアシスト機構は、薄型DCブラシレスモーターのほか、Ni-MH(ニッケル水素)バッテリー、「PCU(パワーコントロールユニット)で構成される。

 走行は基本的にエンジンを主動力とするが、エンジンに大きな負荷がかかる加速時にはモーターが補助動力として働き、1.5Lエンジン以上の性能を確保するとともに、減速時にはそのエネルギーを電力に変換する回生システムの役割を担うことで、燃料消費のさらなる低減を図ることができる。

 また、トランスミッションは5速MTのほか、伝達効率を高めながら、エンジンやモーターがつねに高い効率でコントロールされるように最適な変速制御を行う、ホンダマルチマチック(無段変速オートマチック)が組み合わされた。

エンジンを主動力としモーターを補助動力として力強い加速と低燃費を両立したユニットを搭載
エンジンを主動力としモーターを補助動力として力強い加速と低燃費を両立したユニットを搭載

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