【スープラ/Z4、86/BRZ…】記憶に残るメーカーを超えた共同開発車 5選

 同じネッドカーで生産されたモデルとしてボルボS40とワゴンのV40がある。カリスマとは違うプラットフォームを用い、独自開発のボディとインテリア、そしてボルボ製のパワーユニットを搭載していた。

三菱のグローバルセダンとして開発されたカリスマ。当時積極的に展開していたWRCにもカリスマが投入されリチャード・バーンズがドライブした

ボルボS40は三菱カリスマと一部のコンポーネンツを共用。ボルボはセダンのS40とワゴンのV50をラインアップ。カリスマは販売面で苦戦したがS40&V50はヒットモデルとなった

 S40/V40のサスペンションはストラットとマルチリンクの組み合わせでカリスマと同じ。だだし共用パーツはあるものの独自のサスペンションで味付けも異なるオリジナル。カリスマは、ボルボと同じように時代の一歩先を行く安全強化ボディを採用し、デュアルエアバッグなども標準装備した。

 また、走りもヨーロッパ基準だから安心感があった。三菱の最新生産技術を用いたボルボS40とV40はヨーロッパでヒットした。

 が、カリスマは販売が低迷し、1999年に静かに販売を終えている。悲運の名車だった。

 共同開発車にはいろいろなタイプがあるが、プラットフォームをはじめ、オリジナル要素が強いのは珍しいケースと言えるだろう。

●トヨタスープラとBMW Z4

 コマーシャルでトヨタの豊田章男社長が「Supra is Back!!」と叫んでいるように17年ぶりに復活の狼煙を上げたのがピュアスポーツクーペの「スープラ」だ。

 日本ではセリカの上級モデルと位置付けられるセリカXXが祖で、1978年に登場している。そして3世代目からは海外と同じようにスープラを名乗った。

 ダイナミックなハンドリングと直列6気筒ならではの上質なパワーフィーリングを武器にファン層を広げたが、厳しくなった排ガス規制のために4代目は2002年夏に生産を打ち切った。

 第5世代のスープラはトヨタとBMWがタッグを組み、復活劇が実現している。エクステリアとインテリアはトヨタのオリジナルデザインだ。

 だが、プラットフォームやパワートレインは、オープンスポーツカーのBMW Z4のものを譲り受けた。3Lの直列6気筒と2Lの直列4気筒が用意され、どちらもツインスクロールターボを組み合わせている。

 トランスミッションもZ4と同じ電子制御8速ATだ。が、ソフトウェアはトヨタのエンジニアがセットアップした。ベースとなるメカニズムが秀逸なこともあり、スポーツカーとしての実力は高い。

 販売も出だしは好調だ。共同開発なくして、スープラもZ4も存続しなかったことを考えればおのずと応援したくなる。

17年ぶりに復活するトヨタスープラ。BMW Z4のプラットフォーム、パワートレインを使い共同開発されたが、ハンドリングにはトヨタのこだわりが盛り込まれている
BMWとしてはトヨタとスープラ、Z4を共同開発したことにより、モデル消滅のピンチだったZ4が登場させることができた。両メーカーの関係は今のところWIN-WIN

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