■悪路を走破できる唯一無二のコンセプトを具現化
今どきのクロスオーバーSUVのようにモノコックボディではなく、強靱なラダーフレーム構造を採用し、パワーユニットは100ps/14.0kg-mを発生する1.6Lエンジンと4速AT(または5速AT)の組み合わせ。
駆動方式はトランスファー機構を備えた4WDシステムをエスクードから踏襲するなど、クロカン4WDとしては申し分のない実力を有していた。しかし、スポーツカーとして見ると1080kg(5速MT)という車重に対して動力性能がやや不足気味で加速には軽快感が乏しく、操舵に対する反応の機敏さもスポーツカーとしては十分とは言い難いものだった。
両方のいいところを融合させたクロスオーバーモデルのはずだが、走行性能に関してはスポーツカーの利点を実感できず、既存の概念にとらわれない新しいオープン2シーターというコンセプトほどの斬新さはなかった。しかし、スポーティな見た目の悪路も走れるオープンカーという、当時としては世界中を見渡しても類を見ないクルマだったことは間違いない。
生産終了から24年を経た現在でも希少性が高く、コンディション次第では中古車が100万円を超える価格で取引されている。しかし、デビュー当時は話題にはなったが、2シータークーペ然としたオフローダーはあまりにも特殊すぎて、愛車としてはあまり歓迎されなかった。
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