21世紀になりボディカラーのシェアは安定気味
21世紀に入ってからは無難な色と言われるシルバーの人気が相変わらず高いものの、増減を繰り返していた黒と白が復権しているのが特筆。
白が一番人気に復帰してはいるが、1980年代のような寡占状態ではなく、白、黒、シルバー、有彩色がほぼ同じ比率になっているのも注目だ。
有彩色、黒が比較的安定した人気を得ているのは、コンパクトカーと軽自動車のシェアが増えている点が見逃せないポイント。
セダン系モデルに比べて有彩色の比率が高い。コンパクトカー、軽自動車の白はビジネスユースのクルマに間違われやすい、という考えもあるようで、有彩色を選ぶケースが増えている。
かつてコンパクトカー、軽自動車に黒のボディカラーが設定されることは少なかったが、現在では当たり前になっているのも黒の安定人気につながっている。
21世紀に入ってもクルマへの高級志向は続いていて、それに応えるように塗料、塗装技術とも進化を続け、ユーザーのニーズに応えている。その結果、ソリッドカラーの比率が下がり、エフェクト色が勢力を拡大している。
では、日本人のボディカラーの好みは、世界的に見てどうなのか。
BASF(本社ドイツ)が公表した『BASF自動車用OEM塗料カラーレポート』データを日本のカラーシェアと比較してみよう。
●世界のボディカラー比率(2017年)
1位/白(39%)2位/黒(16%)3位/グレー(13%)4位シルバー(10%) 5位/青(7%)6位赤(7%)7位/茶(5%)8位/黄(3%)9位/緑(1%)
●日本車のボディカラー(2016〜2017年)※分布図より算出
1位/白(35.4%)2位/黒(22.0%)3位/シルバー(12.5%)4位/青(8.7%)5位/赤(5.8%)6位/グレー(4.8%)7位/茶(4.3%)8位/緑系(1.9%)9位/紫系(1.5%)10位/ピンク(1.0%)11位/オレンジ(0.8%)12位/ベージュ(0.7%)12位/黄 (0.6%)
データを見ると、順位は違うものの、白、シルバー、青、赤、茶などの全体における比率はかなり似ているといっていいレベル。
ちなみに世界のボディカラーの白比率を大きく上げているのがアジア地域で、唯一50%オーバーをマーク。中国マーケットで有彩色、黒の人気が高まっているものの白が圧倒的人気なのがその要因と言われている。
日本のクルマのボディカラーは白が異常人気の特殊ケースと1980年代から1990年代にかけて言われていたのも過去の話、今では世界平均に近くなっていて、特殊だったのは20世紀限定と言えそうだ。
安全装備の義務化やボディ規格、パーツの共用化などで、「最近のクルマは個性がなくなってきた」と言われて久しいが、少なくともボディカラーに関していえば、選択肢のバリエーションは豊富になったし、そこから個性的な色を選ぶ人も増えたようだ。
クルマは個人の持ち物であると同時に街を彩る景色の一部という側面もあるので、華やかで明るい色のクルマが増えることはすばらしい。少なくともそういう色を選ぶ人(選べるクルマ)が多い時代が続くといいなと思います。
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