先代モデルが売れた最大の要因はエクステリアデザイン
先代N-BOXの売れる要素は、広さだけではない。注目されたのがボディスタイルだ。水平基調のデザインで、短いボンネットと長いルーフの寸法的な比率もバランスが取れている。
フロントマスクの形状は、シンプルで見栄えもいい。機能がいくら優れていても、外観の見栄えが悪いクルマは売れ行きを伸ばせない。先代N-BOXが好調に売れた背景には、外観のデザインもあった。
このほかにも豊富な収納設備といった特徴を持たせたが、それはほかの軽自動車にも当てはまることだろう。
先代N-BOXは広い室内が生み出す快適な居住性と積載性、車内の広さを巧みに表現したバランスのいいボディスタイルで人気を高めた。
現行N-BOXの新たな8つの価値
現行N-BOXは、先代型が好調に売れた秘訣を継承して開発された。全高とホイールベースの数値、ボディの基本スタイルは先代型とほぼ同じだ。フロントマスクの形状も、特に標準ボディは先代型からほとんど変化していない。
そのうえで現行N-BOXは、先代型の特徴に加えて、ユーザーニーズの高い新たな価値を盛り込んだ。
●ライバルを凌駕する内装の上質感
先代型も軽自動車として不満はなかったが、ライバル車と比べて上質とはいえなかった。そこを現行型では大幅に改善している。メーターパネルはインパネの最上部に装着され、立体感が伴って視認性も良好だ。
●シートの造りも大幅に向
背もたれと座面には充分な厚みがある。後席の座り心地も上質で、現行型では大人4名の乗車も快適に楽しめる。
●後席の座り心地に優れている
ちなみに後席の座り心地は、軽自動車では欠点になりやすい。先ごろ新型になった日産デイズ/三菱eKシリーズは、総じて優れた軽自動車だが、後席の座り心地は悪い。
座面の柔軟性が乏しく、床と座面の間隔も不足したから、足を前方に投げ出す座り方になってしまう。タントも後席の座り心地には不満が伴う。そこを現行N-BOXはしっかり造り込んだ。
●助手席にも驚き仕様がある
助手席にスーパースライドシートを備えた仕様を用意したことも特徴。通常の助手席はスライド量が240mmだが、スーパースライドシートは570mmになる。 後方にスライドさせると足元空間が大幅に広がり、リラックスして座れる。この状態では、助手席が運転席と右側の後席に座る乗員の中間に位置するから、車内の会話もしやすい。
●収納性に優れている
荷室は床面地上高を下げて470mmになり、自転車を積む時に、前輪を大きく持ち上げる必要がない。この床面地上高も、スペーシアは510mm、タントは595mmだから、N-BOXは一番低く荷物の収納性が優れている。
●プラットフォームを新開発
プラットフォームは、スーパースライドシートの長いスライドレールを装着するためにも刷新する必要があった。サスペンションも新しく、特に乗り心地は軽自動車の中でも最高峰。先に述べたシートの厚みも乗り心地を向上させている。
●エンジンを新開発
新開発されたエンジンはノイズを抑え、防音材や防音効果の高いカーペットも採用した。そのために快適な乗り心地と併せて、最も静かな軽自動車になっている。N-BOXを運転していると、軽自動車であることをほとんど意識させない。
●ホンダセンシングを採用
安全装備のホンダセンシングを採用したことも大きな魅力だ。歩行者や車両を検知して緊急自動ブレーキを作動させる機能は、軽自動車でも常識になりつつあるが、ホンダセンシングは電動パワーステアリングの制御でも回避操作を促す。
車両が路肩を歩く歩行者に近づいた時など、避ける方向に操舵力を与える。また車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも備わり、30km/h以上では、ドライバーのペダル操作が軽減される。
車線の中央を走れるように、電動パワーステアリングを制御する機能も備わる。このような運転支援の機能は、軽自動車では現行N-BOXで初めて採用され、大切なセールスポイントになった。
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