現行N-BOXはライバルに比べた時の欠点が少ない
N-BOXは先代型も好調に売れたから、乗り替えの需要が多い。現行型の上質になった内装、静かで快適になった乗り心地は、販売店の試乗でも充分に体感できる。
つまり現行N-BOXの進化がわかりやすく、先代型のユーザーが積極的に乗り替えたから、需要はますます伸びた。
内装の質、居住性、積載性、乗り心地まで機能を幅広く向上させたから、さまざまな機能がライバル車よりも優れている。
「軽自動車を買うならN-BOXを選べば間違いない」という評価が市場で確立され、高人気に結び付いた。
軽自動車は日常生活のツールだから、好調に売れて多くのユーザーが使っていることは、安心感と商品価値を高めて販売台数をさらに増やす。
このほか軽自動車の小さなボディに、幅広い機能を凝縮させた密度感もN-BOXの魅力だ。デスクトップパソコンと同等以上の機能を備えたノートパソコンのような価値観も人気を高めた。
N-BOXが好調でも素直に喜べないジレンマ
N-BOXはこのように優れた商品で好調に売れているが、ホンダの小型/普通車の需要を吸収していることも見逃せない。
N-BOXの売れ行きは、今ではホンダ全車の30%以上に達する。N-WGNなどを含めた軽自動車の販売総数となれば、ホンダ全車の約半数を占めてしまう。N-BOXが好調に売れた結果、小型/普通車の販売力が低下してきた。
2018年度に最も多く売れたホンダの小型/普通車はフィットだが、その台数はN-BOXの36%に過ぎない。フィットの売れ行きは前年度に比べると約14%下がった。フリードも12%、オデッセイは24%減っている。
つまりホンダの小型/普通車に対する頑張りが足りないために、需要が軽自動車のN-BOXに集中したともいえるだろう。N-BOXは優れた軽自動車だが、その好調な売れ行きは、一概に喜べないわけだ。
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