なんと40万円引きも!? 平成最後の決算セール 値引き乱発の実情と背景

 一年で最大の新車の買い時が3月の決算セールだ。年度末の追い込み時期ということで、ディーラーは新車を1台でも多く売りたい背景があり、値引きも大きくなりやすい。

 2019年3月決算セールは例年以上に値引き合戦が激化した。平成最後となった決算セールの実情を、ディーラー取材のベテランジャーナリストである遠藤徹氏がレポート。例年以上に値引きが拡大した背景も含めて振り返る。

文:遠藤徹/写真:NISSAN、TOYOTA、MAZDA
ベストカー 2019年4月10日号

売れ筋ミニバンで値引きの最前線を調査

ノアの特別仕様車「Si W×B II」。人気車ながら約40万円の値引きが飛び出した

 2019年2月下旬の週末、首都圏にある国産有力販売店数軒に潜入してみた。

 最初に訪れたのは都内環状7号線沿いにあるトヨタのカローラ店だった。応対した40代前半らしい営業マンに「ノアの見積もりが欲しいのだけど」と伝える。すると「承知しました」とその営業マンはショールーム中ほどにあるテーブルに案内してくれた。

 まず、カタログと価格表を提示されたので、そのなかから売れ筋の特別仕様車「Si W×B II」をチョイス。販売店オプションのカーナビやETCなどを追加して見積もってもらうと……、諸費用込みで約355万円と出た。

 ざっとその見積内容の説明を受けた後、ひと息入れてから「値引きはいくら?」と切り込む。

 すると、

「今、決算セールの真っ最中ですので特別に勉強させて頂きます。通常だと30万円引きが限度なのですが、3月末までの登録ですと35万円引きに下取り車の買い取り額に5万円乗せて、さらに交渉次第でプラスアルファは可能です」

 と営業マン。ここで「もうひと回りしてから来るよ」と言って、ひとまず引き上げた。

 次に出向いたのは国道6号線沿いにある同じトヨタ系列店のネッツ店だ。姉妹車のヴォクシーとの違いを知るためだった。

 小さめのショールームに入ると30代後半らしい中堅営業マンが出迎えてくれた。早速「ヴォクシーの見積もりが欲しいのだけれど……」と依頼すると、営業マンはカタログと価格表を見せてくれた。

 先ほどのノアと同じように、売れ筋の特別仕様車「ZS煌II」に販売店オプションのカーナビ、ETCなどを装着して見積もってもらうと、諸費用込みでノアと同額の約355万円となった。

 ここで、ノアの時と同様に「値引きはいくら?」と突っ込むと……。「3月末までの登録なら35万円引き、下取り車があれば40万円引きは可能です」と、ほぼノアと同じ条件が提示された。

 そこで「さっき行ったカローラ店でノアは40万円にプラスアルファ引いてくれると言っているけど、こちらではどうなの?」とひと押してみた。すると「今すぐ決めていただけるならぎりぎりあと5万円は頑張ります」と膝を進めてきたので、「検討してみるよ」と返答して、この場を引き上げた。

ライバルのセレナはひと声45万円引き!

セレナの見積もりにはライバルを上回る45万円引きという驚きの値引きが!

 さらに3軒目へ。今度は国道16号線沿いにある日産プリンス店。ノア/ヴォクシーのライバル車であるセレナをアタックしてみた。

 出迎えてくれたのは30代前半らしい若手の営業マン。例によって「セレナの見積もりが欲しいのだけど……」と伝えると奥のテーブルに案内してくれた。

 差し出されたカタログと価格表を見て、売れ筋のハイウェイスターVセレクションに販売店オプションのカーナビ、ETCなどをつけて金額をはじき出してもらうと諸費用込みで約357万円と出た。

 そして見積書の車両代の欄を見ると……、なんと最初から値引きが45万円と記載されていたのだ! これには驚いた。さらに営業マンは「このお値引きには下取り車の上乗せぶんは含まれておりません。ここから5万円引き以上は可能です」と話した。

 最後に訪れたのはホンダカーズ店だ。こちらは国道6号線から少し街中に入った県道沿いの店舗だった。真新しく、ホンダディーラーとしては大きめのショールームに入ると、20代後半に見える新米営業マンが出迎えてくれた。

「ステップワゴンの見積書が欲しい」と依頼すると、案内されたテーブルでカタログを見ながら説明を受けた。

 そこで、売れ筋のスパーダ1.5ターボを選び、これに販売店オプションのカーナビやETCなどを装着した見積もりを出してもらうと諸費用込みで377万円強となった。

 値引きを聞くと、「3月末までの登録だと35万円引き、下取り車にはこれに10万円以上の上乗せが可能です」という条件を営業マンは提示。ここで引き上げた。

 というわけで、同クラスのミニバン4車種の商談を各ディーラーで行ったのだが、その値引きはノアの35万円引きにはじまり、セレナではひと声50万円引きという驚くほどの好条件もあった。

 さらに商談を進めれば最終的に値引きと下取り車の価格上乗せを合わせた額で50万円引き以上を引き出せるはずだ。

平成最後の決算セールスで大幅値引き乱発の理由

間もなく新型MAZDA3の発売を控える現行型アクセラ。このようなモデル末期車も大幅値引きが見られた

 以上のレポートでもわかるとおり、平成最後の決算セールにおける値引きは、例年以上に激しくなっていた。その傾向として、2019年10月の消費税引き上げを意識して大幅値引きやオプションサービスの金額拡大が目立った。

 オプションサービスは小型車だと従来最高10万円だったのが15万円に増額した。残価設定クレジットも1.9%の低金利の対象モデルがさらに増えている状況であった。

 また、大幅値引きのなかには在庫一掃セールのために格安になっている車種もあった。日産のデイズ、ホンダのN-WGN、マツダのアクセラ、三菱のeKワゴンの4車種がそうだ。

 値引きは、軽自動車ではナビ付きだと大半が20万円引きを突破し、アクセラは40万円引きが目立った。

◆  ◆  ◆

【図表】3月決算大幅値引き情報 ※遠藤徹氏調べ。値引き額は諸条件によって異なります

 【図表】は、遠藤徹氏調査による大幅値引き情報のトップ10だ。

 この表を見ても、平成最後の決算商戦は消費税の増税を控え、例年以上に値引きが拡大していた実情がわかる。

 次の大きな商戦は、消費税増税を目前に控えた中間決算の9月。令和最初の決算商戦は、平成最後の商戦とはまた違った様相となるだろう。

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