世界に先駆けてダウンサイジングターボを搭載したVWゴルフV
20世紀のターボエンジンはパワーとトルクを増大させることが最優先だったが、21世紀は地球に優しいエンジンが求められる時代になっている。
そこで登場したのがダウンサイジングターボだ。エンジンの排気量を小さくしたり、気筒数を減らして燃費性能を向上させつつ、余裕あるパワーとトルクを確保するためにターボで過給する。タービンも小さいので、ターボの弱点である応答遅れも小さく抑えられる。
ダウンサイジングターボの先駆者がVWゴルフだ。2003年に5代目のゴルフがデビューしたが、2006年にエンジンを新開発の「TSI」に切り替えた。
それまで1.8Lや2Lエンジンを主役としていたが、ゴルフVは1.4Lの直列4気筒直噴DOHCにターボを組み合わせている。また、ターボに加えスーパーチャージャーで過給するツインチャージャーも設定した。
トランスミッションも最初は多段ATだったが、コンピュータ制御によって2つのクラッチを上手に使い、気持ちよく自動変速を行うデュアルクラッチトランスミッションに変更してドライバビリティを向上させている。
このダウンサイジングターボの流れは世界に波及し、数年後には日本にもダウンサイジングターボが登場した。
【これからどうなる?】
『クルマ界の永遠のスタンダード』と呼ぶには豪華に高額になったゴルフだが、VWの主力として今後も君臨することは間違いない。ダウンサイジングターボは、電化、大排気量NAの潮流もあるが当面消滅することは考えられない。
クリーンディーゼルを日本で復権させたマツダアクセラ(3代目)
マツダは乗りたくなる歓びを、ずっと未来の社会にまで提供したいと考え、クルマの環境性能と安全性能を向上させながら、持続可能(サスティナブル)な未来の実現に向けて積極的に動き出した。
そして発表したのが「SKYACTIV」(スカイアクティブ)テクノロジーだ。プラットフォームを一新し、パワートレーンも新世代とした。
熱効率に優れたディーゼルに独自の工夫を施し、軽量化を図るとともに尿素SCRシステムなどの排ガス浄化装置を使わずに高い環境性能を実現したのがSKYACTIV-Dである。
直列4気筒DOHCを直噴化し、コモンレール式燃料噴射装置を採用してクリーン化した2機種のエンジンを開発。2.2Lと1.5Lの2機種だが、2018年には1.8Lエンジンも登場している。
2013年10月に登場した3代目アクセラの5ドア(スポーツ)はSKYACTIV-Gに加え、クリーンディーゼルのSKYACTIV-D 2.2を搭載して注目を集めた。上級クラスでは見かけるが、Cセグメントのディーゼルターボは珍しい。
ディーゼルターボは4Lクラスのガソリンエンジンと同等のトルクを発生するから軽快だ。
また、2016年夏にはSKYACTIV-D 1.5を追加している。
石原慎太郎元東京都知事がディーゼルエンジンに難色を示してから日本では悪者扱いされていた。
クリーンディーゼルの先鞭をつけたのは欧州車だが、日本ではマツダの意欲的な取り組みでディーゼルが回復し、復権もなるなど、大成功を収めている。
【これからどうなる?】
欧州勢が手のひらを返したように電化を声高に叫んでいるが、マツダは今後もクリーンディーゼルをけん引する! アクセラ後継のMAZDA3は、デザイン、車の出来はすばらしいが、車名変更が吉と出るか凶と出るか!?
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