クロカンブームに火を付けけん引した三菱パジェロ(2代目)
クロスカントリー(通称クロカン)4WDは、特殊なオフロード車のイメージが強かった。ウィリス・オーバーランド社が生産を行っていたジープのイメージが強烈だったからだろう。土臭いクルマと思われていたのだ。
そのイメージを覆したのが、日本でジープを現地生産していた三菱である。ジープのノウハウを結集してパジェロを生み出した。
初代パジェロは国内だけで16万台超のヒット作となったが、ファミリー層を引き込んだのは1991年1月デビューの2代目だ。ストレート基調のデザインで、背面タイヤやガードバーがアウトドアだけでなく都市の景色にもマッチ。
走りも大きくレベルアップ、特に向上したのがオンロード性能だ。ガソリンエンジンは3L、V型6気筒SOHC、ディーゼルターボは2.5L(後に2.8L)。
トランスファーやセンターデフロック機構を備えたスーパーセレクト4WDにより、卓越した走破性能を誇った。
高速道路やワインディングロードでも安心感のある走りを披露し、ファミリー層を魅了し、1999年の生産終了までに国内だけで30万台を超える販売を記録したのだから名車の中の名車と言えるだろう。
【これからどうなる?】
残念ながら初代登場から37年の歴史に幕を閉じることになったパジェロ。これで日本車でクロカンの匂いを残すのはスズキジムニーだけになってしまった。
今に続く日本でのSUVブームの礎の日産エクストレイル(初代)
1990年代、日産はSUV市場にサファリとテラノを軸に、ミストラルなどの新世代SUVを送り込んだ。いっぽうワゴンとSUVのいいとこ取りをしたクロスオーバーのラシーンを投入し、ビギナー層や女性層の獲得に成功している。
そこでモノコック構造のボディを採用し、サスペンションも高速道路やワインディングを意識した味付けのクロスオーバーSUVとしてデビューしたのが2000年10月にデビューしたエクストレイルだ。
シャープなボディラインでタフなアウトドアギア感覚を強く打ち出し、樹脂フェンダー、ウォッシャブルラゲッジボードなど使い勝手のよさをアピール。
エンジンは2L直列4気筒で、後にターボを追加。駆動方式はFFベースのオールモード4×4だ。路面のグリップ状況を瞬時にセンサーで感知し、4WDに切り替える。本格派ではないが、フルタイム4WDだからファミリー層でも実力を余すところなく引き出すことができた。
発売直後から販売好調で、ミディアムSUVの代名詞になるまでに成長。
【これからどうなる?】
エクストレイルの次期モデルは、e-POWERを搭載するという情報もあり、期待感は高い。よほどのことがない限り安泰間違いなし。
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