■後席乗員との距離が近いからコミュニケーションが楽しい
外観もそれまでのミニバンとはひと味異なる。3×2パッケージがもたらすショート&ワイドなディメンジョンを活かした“3×2ミニバン”スタイルは、「スポーティー&ダイナミクス」というデザインテーマも相まって、堂々とした存在感とホンダミニバンならではの走りを予感させる躍動感が表現されている。
バンパーの角を落とした立体感のあるフロントまわりの造形や、ワイドスタンスの安定感を強調したリアビューによる塊感のあるスタイルは、ミニバン=箱型という定石に則らないじつに斬新なものだった。
4285mmという全長はハッチバックと同等でミニバンとしてはコンパクトな部類となるが、全幅は1795mmという数値で、このワイドスタンスがスポーティな安定感をもたらす。1610mm(FF)に設定された全高の恩恵により、ヘッドクリアランスは十分なゆとりが確保できた。
見た目はちょっと大きめのハッチバックという趣きだが、車内は外観からは想像できないほどゆったりとした空間が確保されているあたりは、ミニバンらしい特徴のひとつと言える。
運転席まわりは横基調の伸びやかなデザインとすることで室内のワイド感が強調されている。インパネ下部全体を削ぎ落としたような作りによって広々とした足もと空間も確保された。
特にセンターパネル下部は、デザインや機能部品のレイアウトを工夫することで人が座った状態でも十分なゆとりがある。また、センターパネルは凹凸の少ないデザインとしたこともフロントセンターシートの安全性に寄与している。
前後3席を実現するために、運転席と助手席はシートフレーム幅がコンパクト化されているが、座面幅やシートバックの高さ、シートクッションの長さは十分。さらにシートクッションに厚みをもたせ、サイドサポート角度の最適化と、インサート材の追加によって3名がしっかりと快適に座れるよう配慮されている。
前席シートバックの肩口部分は、なだらかな形状とすることで圧迫感をなくし、前後の空間につながりをもたせることで視界や声の抜けがよくなるので、ドライブ時でもしっかりとコミュニケーションがとれる。
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