こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】お金かけすぎ!? カルマン社の電動ハードトップが魅力のマイクラC+Cの破壊力

■ソフトトップではなく高価なガラスルーフを採用

 マーチのオープンモデルとしては、1997年に発売された「マーチカブリオレ」が存在するが、こちらはルーフを電動開閉式ソフトトップの手頃なオープンカー。対してマイクラC+Cは、その名が示す通り2007年当時の欧州で流行っていたクーペカブリオレ様式を採用していた。

 ルーフ部分は欧州のオープンカー製造で定評のあるカルマン社製ガラスルーフとし、室内に開放感と温かさをもたらす。ガラス部分は紫外線を約93%カットし、日焼け対策とシェードによる直射日光の緩和にも配慮されていた。

 オープン時にはルーフ部分をトランクに収納する機構としていたため、クーペをベースにした他のモデルに比べると、クローズ時のスタイルはややスタイリッシュさに乏しい。しかし、それがマイクラC+Cならではのキャラクターを演出していたことは間違いない。

3代目マーチのキュートなデザインを上手く利用して、独創的スタイルのオープンモデルを創り出した
3代目マーチのキュートなデザインを上手く利用して、独創的スタイルのオープンモデルを創り出した

 後席は備わっていたが、ルーフの収納スペースを後席背後に確保するために犠牲になってしまった感は否めず、大人が乗るにはかなり窮屈で、緊急用あるいは荷物置きと割り切る必要があった。

 トランクはクローズ時にハードトップが収納できる容量を確保していたので、幅や奥行き、高さともに思ったよりも広く、オープン時でも荷物の積載を諦めなくていい。もちろん、大きな物は積めないが、開口部が大きく低く設定したトランク下端によって、荷物の載せ降ろしがスムースに行える。

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