■誤操作でエラーが出るパソコンとクルマ
アイサイトなどの運転アシスト機構に備わる車線逸脱警告や一部の高額車に用意される「プリクラッシュシステム」は、イザという時にはドライバーの危機を救ってくれる大変ありがたいハイテクデバイス。
…しかしそうであるとわかってはいても、常時オンにしていると煩わしく思う場面が多々あります。
たとえば路上駐車を避けたり自転車を追い抜いたりするなど、日常には車線を逸脱せざるを得ない場面は多いものですが、そのたびにブブー! と警告音を鳴らされるのは非常にウザイので、せっかくの機能をオフにして走ってしまいます。
プリクラッシュシステムではちょっと際どいすり抜けをするとクラッシュに備えてシートベルトがギュッと締まったりしますが、コンピューターに「コイツは事故る」と判断されたようで実に不愉快です。
ドライバーがボンヤリしてしまっている時と、しっかり状況を把握して運転できている時を識別してくれるようになれば最高だと思いますが。
■最近の修理はみんなアッセンブリー交換
パーツのアッセンブリー(集約)化が普及してすでに久しくなりました。
車両販売価格を抑えるために生産効率を高めていることはわかりますが、本当は小さなパーツを換えれば直るはずなのにユニットを丸ごと交換しなければならないため、保証の切れたクルマの修理代がバカ高くなってしまうのは、結果としてユーザー負担が増すばかり。
昔は、お金のない若者は古めの激安中古車を買うことからカーライフが始まったものですが、本体が安くても修理代が高いと思うと腰が引けてしまい、若者のクルマ離れの原因のひとつになっております。
また、最近の新車ディーラーのメカニックは整備士ではなく「アッセンブリー交換士」と化しており、整備士としてのスキルを磨くことができなくなっているのも問題です。
「ディーラーに居てもアッセン交換作業ばかりでつまらない」との理由で離職したり、志望者が減ったりしているようなので「脱アッセンブリー」の推進をはかってみてはどうでしょうか。
■韓国、台湾、中国勢の追い上げがヤバい!
韓国や中国などのアジアの自動車メーカーの勢いは凄まじいものがあります。日本車の強みは信頼性と経済性の高さでしたが、これらに関してはアジアのメーカーにほぼ追いつかれ、追い抜かれつつあるのが現実です。
ハイブリッドなどのエコ技術ではまだ最先端に居るものの、燃費や価格などの数字を重視したクルマ作りはやがて追いつかれることでしょう。デザイン面では、韓国車には追い抜かれてしまった感さえあります。
しかし、ノウハウの膨大な蓄積が必要な「乗り味」の差ではまだ日本車に大きなアドバンテージがあると思います。日本車メーカーも長年欧州車の乗り味を追い求めながら、いまだに欧州車を凌駕する乗り味のクルマが少ないという事実からも、ここだけはそう簡単に追いつかれることはないといえます。
中国でもエンスー趣味を持つ人が徐々に増えているようですが、アジアでは乗り味にこだわるユーザーはまだ圧倒的に少ないので、ユーザー側の成熟度でも日本に一日の長があります。
■壊れないなどブランド神話が崩壊中
パソコンの場合は普通に使うぶんにはマイナーなメーカーでもまったく問題がなくなったので格安製品に人気が集まっておりますが、クルマも似たような状況にあります。
自分がホンダ車のセールスマンをしていた1996年頃は「トヨタ以外はクルマにあらず!」と宣言するような人がわずかながら存在していましたが、今では愛知県など特殊な地域を除いてそういう人は激減しました。実際、国産車ではどのブランドも信頼性や品質に差はありません。
そうした状況のなか、各社は独自性を強く打ち出してブランド力を高めようとしていますが、一番人気は軽自動車です。
軽自動車に対する偏見は完全になくなったわけではありませんが、全体的に質感や性能がよくなったおかげもあり、普通車から軽自動車に乗り換えることは「ダウンサイジング」という大義名分のもと、恥ずかしいことではなくなりつつあります(富裕層や見栄を張る人はその限りではないでしょうが)。
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