■クルマもパソコンも簡素化が進んでいる
重たくて嵩張るスペアタイヤを省くことについては強く支持しております。装備の簡素化は軽量化にも繋がり、燃費をよくしたり運動性能を高めることになるので推進してほしいところですが、操作性の簡素化については慎重に考えてほしいです。
たとえばリンカーンのMKXなど、オーディオやエアコンなどの操作をひとつに集約したクルマも増えてきましたが、操作スイッチはボタンではなく指先のタッチを感知するタイプなので、ブラインドタッチがしづらいという難点があります。
スマホと同じで操作時にスイッチ付近を凝視しないといけないのは甚だ不便、かつ危険であり、簡素化した意味がありません。
エアコンやオーディオなどの操作系は簡素化し過ぎず、昔ながらのダイヤル式に戻すなどして操作性を元に戻してほしいと願います。また、最近のモーターショーを見ていると将来はステアリングさえもなくなることが示唆されますが、運転する楽しみを第一とする保守派としては嬉しくない簡素化です。
■まだまだある クルマのパソコン化!
クルマのパソコン化は全体的にはびこりつつありますが、もっとも顕著なのはEVやプラグインハイブリッドです。
クルマから遠く離れていてもスマホからエアコンのスイッチを入れたりバッテリーの充電状況をチェックしたり、ドアの開閉まで出来てしまうわけですが、クルマのパソコン化というより、パソコンに走る機能が付いたという見方もできます。
・パソコンもクルマ化……最近では水冷で放熱するパソコンもあるようで、パソコン側からもクルマに接近しているようですね。クルマもパソコンも照明にはLEDの採用が拡大していますが、そのうちパーツの共用化が実現するかも知れません。
・取説は見ない……クルマもパソコンも、使える機能は膨大にあるのに取扱説明書を熟読する人は少なく、そのくせ「多機能を使いこなせていない現実に悲しくなる」ことについても、道具として似ているといえます。三菱i-MiEVを最も多く販売しているのは“ジャパネットたかた”のようですが、これからのクルマはパソコン化どころか携帯電話化も進むのでしょう。貧窮にあえぐ自分などは、通信代が滞って携帯や自宅のネットが停まるとクルマも動かせなくなりそうで恐ろしいです。
・履歴が丸わかり……さらに、技術的には自車の位置や走行ルートの履歴はもちろん、速度を何キロ出したかもわかるでしょうから、監視される恐怖も伴います。新手のストーカー事件が発生するかも。クルマのパソコン化はある程度避けられないとしても、もっとクルマ好きが喜ぶ類いの機能が増えてほしいものであります。
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以上のようにドンドンクルマがパソコン化しているのだ! 今後、EVの普及が進めば、ネットを使った電源管理なども含めてさらにドンドンパソコン化が進むだろう。
それどころか、パソコンメーカーがクルマを作る時代がくるかもしれないのだ!!?
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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