スイスで実現する「地下自動モジュラー物流網」は日本でも可能なのか?【清水草一の道路ニュース】

スイスで実現する「地下自動モジュラー物流網」は日本でも可能なのか?【清水草一の道路ニュース】

■NEXCO中日本が公開した論点とは?

 スイスの計画は全線トンネルだが、トンネル掘削には巨費がかかる。中央分離帯など、高速道路上の空間を利用すればずっと安上がりに思えるが、実際はどうか? 今年5月の第3回会合では、NEXCO中日本が具体的な論点を公開した。

 その内容は衝撃的だった。ぶっちゃけ「中央分離帯や路肩側に専用レーンを設置するのは極めて困難で、地下トンネルのほうが現実的」という結論だったからだ。

自動物流道路を作るなら地上か地下か、さまざまな項目で徹底的に比較されている
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 路肩側の場合、インターチェンジやSA・PAの分合流のたびに、物流レーンを立体交差させる必要がある。中央分離帯にも標識や跨道橋の支柱が多数立てられているので、すべて撤去し再構築する必要がある。トンネル区間は、内側か外側に新規にトンネルを掘らなければならない。

 そもそも路肩も中央分離帯もたいした幅はないから、トラックを走らせることなど不可能で、スイスの物流専用トンネルのように、幅の狭いパレットを走らせるしかない。

 事故や災害、落下物、除雪の影響を考えると、堅固なボックス構造で守らねばならならず、建設するとなったら、本線側も長期の車線規制が必要になりそうだ。ならばいっそトンネルを掘ったほうが現実的ということになる。

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